研究概要 |
マルチキャピラリX線レンズ"とマイクロチャンネルプレートを組み合わせた顕微メスバウア分光装置(2次元位置敏感型メスバウア分光装置)を開発した."マルチキャピラリX線レンズ"により平行ビームとして集光し,^<57>Feで無反跳γ線吸収後の内部転換電子計測による2次元位置敏感型メスバウア・スペクトルの測定を行った.これにより,鉄を熱拡散により故意汚染したシリコンウェーハ表面から100nmまでの深さに存在する鉄不純物の格子位置や鉄シリサイド同定し,さらにウェーハ面内、数μmの空間分解能での^<57>Fe2次元画像観察を目指した. ・50mCiの高密度^<57>Co線源(直径4mmの有効径)からの^<57>Fe-14.4keVγ線を数ミクロンの細孔を多数有する"マルチキャピラリX線レンズ"で集光し、直径0.2mmの平行ビームを取り出した(島津製作所より購入).これにより,単純な鉛コリメータを利用する場合に比べて、強度を約3桁向上させ,メスバウア・スペクトルの2次元マッピング測定を可能にした. ・2次元位置敏感型メスバウア分光装置とするために,試料を測定チェンバー内のX-Yステージに固定し,これをステップモーターで制御し,X-Yの関数として内部転換電子によるメスバウア・スペクトル測定を行った.レンズ位置および光軸調整をしながら最適画像が得られる条件を系統的に探し、シミュレーションと比較・検討した。 ・^<57>Feを熱拡散やイオン注入により故意汚染したシリコンウェーハを本装置でマッピング観察を行い,表面から100nmまでの深さに存在する^<57>Fe不純物の格子位置や鉄シリサイド分布を数10μmの空間分解能で観察した。 ・2006年春の応用物理学関連連合講演会・結晶工学の一般講演および多結晶シリコン太陽電池に関するシンポジウムで発表した。
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