研究概要 |
従来から行っていた複数枚の投影画像からその物体の3次元的な空間周波数分布を求め,これからホログラムを計算する方法の研究を進めてきた.この手法によれば、従来情報の取得が煩雑であった3次元物体の空間情報の取得が効率的に行え、顕微鏡下の生体などの立体再生も可能である。 本研究では,蛍光顕微鏡の射出瞳面に適当な開口をもうけ,これを移動させることで,実質的な投影方向を決定し,投影画像を取得することにし、この情報をもとに、3次元像の再構成を行うことを目的とする。この目的を達成するために、既設の干渉顕微鏡からの3次元位相分布の再構成を、先ず試み、再構成アルゴリズムの確認を行井、更には、立体像表示プログラムの作成と表示実験を行った。 具体的には、(1)蛍光顕微鏡による画像取得装置の開発を行い、蛍光顕微鏡の射出瞳面に移動開口を置きこれを移動制御する装置の基本設計を実施。(2)微分干渉顕微鏡による、定量的な位相分布の3次元取得の実験。(3)複数枚の位相分布画像から、3次元的位相分布の再構成プログラムの開発。(4)複数枚の画像からその3次元フーリエスペクトルを求め,ホログラムを合成するアルゴリズムを開発し、立体像表示の実験を行った。(5)'ホログラムの最適再生像位置の推定法の研究と実証的評価実験。これらの、アルゴリズムの開発と平行して、立体像の効率的計算法の研究も進め、円筒面や球面上にホログラムを作製する手法の検討と評価法の開発も行った。また、極めて細い顕微鏡対物連巣(直径5mm)を対象物に刺して投影像を取得する方法の基礎的検討も開始した。
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