研究概要 |
熱弾性効果に基づく赤外線応力測定法は,その全視野計測技術の特性を活かして,切欠き部や溶接部等に発生する応力集中の評価に積極的に用いられている.応力集中部では局所的に塑性変形が生じている可能性があり,赤外線応力測定法による実部材の的確な強度評価のためには,塑性変形の存在を考慮に入れた応力集中部の応力評価技術が必須課題となる.本研究では,繰返し負荷時に局所的に塑性変形が生じている応力集中部位の温度変動について,熱弾性効果による弾性成分および塑性変形による塑性成分に分離して計測することにより,塑性変形の発生を検出するとともに,塑性変形域を同定する新しい計測技術である,位相解析ロックインサーモグラフィ法を開発した.本計測手法の高精度化のためには,計測対象物の変位・変形による計測視野のずれを補正する必要がある.本研究では,デジタル画像相関法を基礎に,熱弾性応力計測および塑性域同定のための全視野位置補正技術を開発した.また,全視野位置補正法をさらに高度化するため,可視ビデオカメラと赤外線サーモグラフィの計測データを融合させる技術を開発した.
|