研究課題/領域番号 |
17656107
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
SANDHU ADARSH 東京工業大学, 量子ナノエレクトロニクス研究センター, 助教授 (80276774)
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研究分担者 |
東脇 正高 独立行政法人情報通信研究機構, 研究員 (70358927)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | ホール素子 / 磁区 / III族窒化物半導体 / HEMT / ヘテロ構造 / 2次元電子ガス / スピンエレクトロニクス / 走査型磁気顕微鏡 |
研究概要 |
次世代の高保磁力永久磁石、超高密度磁気記録技術及び「スピンエレクトロニクス」等の新分野の研究には、磁性体特有のキュリー温度(Tc)の測定が非常に重要である。現在、磁性体のTcの測定は通常、振動試料型磁力計(VSM)装置を使って行われている。しかし、VSMによるTcの測定の難点として、(1)試料全体の平均的な値しか得られない;(2)熱電対と試料が離れているため、試料の正確な温度測定ができずTcの値に誤差(±20%)が生じる;(3)VSM装置は複雑な仕組みで操作が困難である;(4)VSM装置は高価(〜2000万円)である、等が挙げられる。そこで、申請者はVSM装置ではなく、Tcをホール素子により測定する方法を提案した。しかし従来のホール素子の材料であるGaAs、 InSb等の半導体は、温度変化により、磁界に対する出力であるホール電圧が変化するという問題がある。そこで、本研究ではホール素子に用いる半導体材料として二次元電子ガスを有するGaN/AlGaNヘテロ構造に着目し、ホール電圧の温度変化が極めて小さいホール素子の作製を目的とする。 平成18年度の研究予定は実際に極高温で安定な動作する50〜100μm角のGaN/AlGaNホール素子の応用として、高温におけるBaフェライトの磁化曲線(キュリー温度)の測定を行った。通常のVSM測定はマクロ的であり、GaN/AlGaNホール素子を用いた測定は局所的な情報を得ることができ、測定した円形の等方性Baフェライトのキュリー温度はVSM測定と若干異なり、460℃であることは分かった。さらに、センサ部分は2μm×2μmのSHPM用ホール素子を作製し、50μm厚のガーネットサンプルを測定し、磁区幅約10μmを有する磁区構造の観察に成功した。 以上の高温におけるBaフェライトの磁化曲線の測定に成功したこと、ガーネットの磁区観察に成功したことで高温で局所的な磁界測定が可能であるを証明した。さらに約数μm角のGaN/AlGaNホール素子をSHPMに搭載し、高温で磁性体表面の熱による磁区反転・磁壁移動の観察への応用を検討した。
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