研究概要 |
残留強度の電気化学的測定法の開発にあたり,測定法の基礎となる強度発現機構について研究した。得られた知見は以下のようである. (1)残留状態せん断面は,肉眼では平滑に見えてもマイクロメートルオーダーでは,粗さを有している. (2)残留状態せん断面は,全面で接触しているのではなく部分接触である. (3)残留状態せん断面とガラスとの接触面積は,垂直応力め増加に伴い直線的に大きくなる. (4)残留状態せん断面の吸着水は,微小点領域において10^<-1>nNオーダーの吸着力を有する. (5)高純度粘土鉱物の摩擦係数μは,膨潤性,非膨潤性に関わらず乾燥状態>湿潤状態である. (6)摩擦係数μは,温度の上昇(20℃→30℃→40℃)に伴い大きくなる. (7)逆に粘性は温度上昇(20℃→30℃→40℃)に伴い小さくなる. (8)粘土鉱物のCEC(陽イオン交換容量)と残留強度とは反比例の傾向を示す. (9)(8)の関係は,粘土鉱物の種類ごとに異なる(反比例の度合いが異なる) 2.電気化学的測定法の開発 上記(1)〜(9)の知見より,粘土鉱物の電気量および真実接触面積を測定することで粘土の残留強度に換算できるものと考える.
|