研究概要 |
本研究は、路面表示,レーンマーキング,標識などを、可変にすることによって,車線数やチャンネリゼーション,車線幅員などを時間的にダイナミックに変化させること(動的インフラ)の適用可能性について解析したものである。このような動的インフラにより、交通需要の時間変化、事故・道路工事などの異常事象に柔軟に対応できる将来のインフラのあり方について提案するものである。 具体的な検討項目は、(1)動的インフラによる円滑性向上の評価,(2)動的インフラの運転者の受容性,(3)安全性の評価の3点であり、対象とする動的インフラとしては,(i)高速道路単路部のサグにおける路肩の動的利用,(ii)可変の路上駐車スペースの2種類とした。 (1)円滑性の向上については、まず交通流の動的解析(シミュレーション,待ち行列モデル)を用いて,動的インフラ導入による円滑性改善効果を定量的に評価した。(2)および(3)については、別途研究で開発した複合現実感交通実験システム(ドライビングシミュレータと交通シミュレーションの統合システム)を用いて、数十人の被験者実験を実施した。その結果、何種類かの動的インフラシステムについて、安全性と利用者の受容生を評価することができ、今後の具体的な設計に有用な知見を得ることができた。
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