研究概要 |
本研究では,コンクリートの製造から施工管理まで一貫した品質管理体制を構築することを最終目的として,単位水量の管理のみならずコンクリートの品質管理から施工管理にまで反映が可能なデータの取得・保存を行う管理システムの開発を目指した。 (1)開発した単立水量管理プログラム 単位水量の測定誤差について試算を行った結果,空気量の測定誤差,骨材の密度誤差および粗骨材の計量誤差が単位水量測定結果に大きく影響を及ぼすことが分かった。また,材料の計量値はJISA 5308に規定されている許容範囲内で考えると最大±4.5kg/m^3程度の誤差が生じる可能性があり,さらに,これに密度測定誤差が各材料±0.01g/cm^3加わると,単位水量測定値には,10.5kg/m^3程度の誤差が生じる可能性があることが試算された。 (2)大分県内並びに福岡県内の主要な生コン工場について単位水量の管理データを収集 大分県内8工場および福岡県内1工場の生コン工場において,(1)で作成した単位水量管理プログラムを使用した単位水量のデータの蓄積を行った。 (3)コンクリートの物性に関する実験 単位水量の測定を行ったコンクリートの圧縮強度,ヤング係数,乾燥収縮ひずみおよび中性化試験を行いコンクリートの物性に関する実験データの蓄積を行った。 (4)コンクリートの物性に関する構成式について検討 国内外の学会による推奨式の整理を行い,乾燥収縮ひずみの予測に関しては配合のみのデータで予測するよりも短期の実験値を使用して予測したほうがその精度が向上することが分かった。 (5)まとめ 本研究で開発した単位水量管理プログラムでは,各材料の計量誤差や材料密度の誤差により単位水量の測定誤差が±10kg/m^3程度になることやプログラムによる単位水量測定値を用いてばらつきはあるが力学特性を予測可能であることが確認できた。
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