研究課題/領域番号 |
17656203
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属物性
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
木村 薫 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (30169924)
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研究分担者 |
岡田 純平 東京大学, 大学院工学系研究科, 助手 (90373282)
金山 敏彦 東京大学, 産業技術総合研究所・次世代半導体研究センター, 副センター長(研究職) (70356799)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2005年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | ナノ材料 / クラスター / イオントラップ / 質量分析 / シミュレーション / イオンとラップ |
研究概要 |
EMSIT(多重極イオントラップ)の性能を評価するために、36pole-EMSITを用い、モノシランガスSiH_4を原料に、水素化シリコン・クラスターSi_nH^+_x(n=2-6)の生成を行い、引き出しイールドをEQSIT(四重極イオントラップ)の場合と比較した。EMSIT内で、SiH_4に250evの電子線を照射することでSiH^+_xイオンを生成、捕獲し、これと雰囲気のSiH_4分子との反応によってSi_nH^+_xを合成した。EMSITとEQSITの場合のSi_nH^+_x(n=2-6)イオンビーム電流値を比較した。いずれの場合も、EQSITよりもEMS1Tの方が大きなイールドを供給でき、特に、Si_nH^+_x(n=2,4,5)は、EQSITの場合の9〜10倍のイールドを得た。このように、36pole-EMSITが、シミュレーション通り、EQSITよりも大量のクラスターを供給できるクラスター源として働くことを、実験的に確認できた。 EQSITを用いて、デカボランとジボランから水素化ボロン・クラスターを作製した。質量スペクトルからB_mH_n^+(m=12-22)が生成していた。生成したクラスターの中で、B_<12>H_n^+に関して質量分布の解析を行ったところ、水素の数n=7〜8のクラスターが50%を占めていた。密度汎関数法によるformation energyの計算結果より、実験で生成したB_<12>H_<7,8>^+は正二十面体構造であると予想される。デカボランイオンとジボランからB_<12>H_<12>^+が生じたときのエネルギーを計算したところ、2.2〜3.4eVの発熱反応であることが分かった。B_<12>H_<12>^+からの水素分子脱離プロセスを計算したところ、エネルギーの高い中間状態は存在しなかった。したがって、反応熱によって2つのH_2が放出されB_<12>H_8^+が生成することが予想され、実験結果をよく説明できた。
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