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応力腐食割れ解析用量子分子動力学シミュレータの開発とき裂進展メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 17656224
研究種目

萌芽研究

配分区分補助金
研究分野 構造・機能材料
研究機関東北大学

研究代表者

鈴木 研  東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40396461)

研究期間 (年度) 2005
研究課題ステータス 完了 (2005年度)
配分額 *注記
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
キーワード応力腐食割れ / 反応ダイナミクス / 量子分子動力学法
研究概要

共有メモリマルチプロセッサにおいて並列計算が可能な応力腐食割れ解析用量子分子動力学シミュレータを開発した。高温水環境下におけるオーステナイトステンレス鋼のき裂先端で起こるメカノケミカル反応を原子・分子レベルで明らかにすることを目的とし、本シミュレータを用いて高温水(300℃)環境におけるFe-Cr新生面の反応ダイナミクス解析を行った。反応初期において、H_2O分子はFe-Cr表面上で分解しOHが生成する様子が観察された。その後最表面のCr原子、Fe原子がH_2O領域へ移動、すなわち溶解し始めた。内部のCr原子も最表面へ向かって拡散するため、H_2O界面ではCr原子の濃度が上昇し、H_2O、OHはFeよりも表面及び溶解したCr近傍に配位しやすいことがわかった。
Fe/H_2O界面ではH_2OやOH、O原子はFe内部深くまで拡散し、Feが溶解し続ける様子がみられたが、Fe-Cr合金においては、界面に濃縮したCrがH_2O、OHのトラップサイトとして働きH_2O、OHの内部拡散が妨げられるため、Fe溶解の程度が小さくなることが明らかとなった。この結果は、Fe-Cr新生面の酸化反応初期においてはCrリッチな酸化物が生成しやすいという実験事実と定性的に一致すると共に、Cr添加による耐腐食性向上メカニズムを示唆していると考えられる。さらに、本手法を用いて、Ni-Cr合金における原子拡散と欠陥の影響について検討を行ったところ、Ni-Cr(Ni, Cr比3:2)合金内に原子空孔が存在するとNi、Crとも拡散速度が大きくなることが確認された。Crの拡散によって合金内部のCr分布にゆらぎが発生し、Cr欠乏層が形成されると耐食性が著しく低下する可能性がある。現在、Ni基合金の耐食性向上のために様々な元素の添加が試みられているが、このような観点から、Cr拡散を低減させることが可能な添加元素の有効性が示唆された。

報告書

(1件)
  • 2005 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Degradation Mechanism Analysis of Structural Materials in Operating Energy Conversion Systems : Computational Chemistry Study2006

    • 著者名/発表者名
      K.Suzuki, H.Ito, M.Kubo, H.Miura, A.Miyamoto, T.Shoji
    • 雑誌名

      Proceeding of The 4th International Symposium on Nano technology

      ページ: 130-131

    • 関連する報告書
      2005 実績報告書

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公開日: 2005-04-01   更新日: 2016-04-21  

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