研究課題/領域番号 |
17656289
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
地球・資源システム工学
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研究機関 | 独立行政法人海洋研究開発機構 |
研究代表者 |
中村 晃三 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球環境フロンティア研究センター, グループリーダー (20143547)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2007年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2006年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2005年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 風力 / 新エネルギー / ソーラータワー / 流体工学 / 土木環境システム / 太陽熱 / 気象学 / 湿潤対流 |
研究概要 |
熱対流による人工風発電は、オーストラリアに建設が予定されているソーラータワーで実用化されようとしている。太陽熱発電に関する研究はいくつもあるが、高温の蒸気でタービンを回す関係のものが多く、ソーラータワーそのものについての進展は調査できなかった。 国内ではほとんど研究されていないようで、見つかったものは、九州大学応用力学研究所の大屋氏が航空宇宙学会西部支部の講演会で発表した「太陽熱による熱上昇風の生成と煙突型構造体を用いた風の集束について」の一件のみであった。この研究では、室内実験および数値実験での解析を実験室規模で行い、得られた上昇流から流れの相似則に基づいて、100mの高さの煙突での上昇流を推定した結果、実スケールの風速として約8.9m/sを得ている。 この研究を参考に、なるべく簡単にモデル実験を行うために、これまで気象のシミュレーションで使ってきた3次元矩形格子を用いた数値モデルを、格子間隔を小さくすることで、ソーラータワーによる風を再現することを試みた。本研究では、地表面との温度差が大きくない範囲では、ある程度大きな上昇流を作ることに成功したが、地表面温度を気温に比べて非常に高い温度にした場合、人工的な粘性を大きくしないと計算が不安定化してしまった。格子間隔と時間ステップを十分小さくすることで、不安定が起きないようにすることはできるが、長時間積分をするとき非常に計算時間が掛かるためこの方法は現実的ではない。もっともらしい乱流パラメータの調節で不安定化を防ぐような研究が必要である。なお、水蒸気の凝結効果を入れた場合、十分低い高度で凝結が起こるようにするためには、通常観測されるよりもかなり高い湿度の空気を流入させる必要があった。実際には、地表からの水蒸気フラックスを十分に大きくし、しかも吹走距離を十分に長くする必要がありそうである。
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