研究課題/領域番号 |
17656309
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
エネルギー学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
畑 俊充 京都大学, 生存圏研究所, 講師 (10243099)
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研究分担者 |
橋本 弘藏 京都大学, 生存圏研究所, 教授 (80026369)
今村 祐嗣 京都大学, 生存圏研究所, 教授 (70151686)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2007年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2006年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2005年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 木質炭化物 / 炭化ケイ素 / SiC / 熱電変換 / 熱電特性 / 多孔体 / パルス通電加熱 / 性能指数 / 多孔質 / 宇宙太陽発電 / 木質炭素化物 / 出力因子 |
研究概要 |
本研究はパルス通電加熱法を用いて、加熱処理中に材料内へ強制的に電子を流し構造をナノレベルで制御することよって、木質炭素材料に熱的異方性を付与し放冷と発電を同時に可能とする高効率な熱電変換材料の開発を目的とする。今年度は、材料の熱的異方性を最大にする条件の検討と、熱電変換効率の最適化の実験を通じて熱電変換効率の更に向上させるために、炭素材料の傾斜性の最適化と熱電変換性能の最適化を行い両方の基礎研究から製造条件の最適化を図った。太陽光発電衛星システムにおける熱移動の管理に寄与する材料開発を行った。 グラファイト層を表面に有する軽量で高熱伝導性の複合材料を作成し、プレス面平行方向と垂直方向の熱伝導率を測定し、ラマン分光装置と走査電子顕微鏡を用いて分析を行った。実験因子は木質炭素の粒度と木質炭素とグラファイトの重量比である。水平面と縦方向の熱伝導率比(KH/KV)は、木質炭素/グラファイト複合材料の方が天然グラファイトのみからなる材料よりも大きく、グラファイト層と木質炭素化層の重量比は10:90の時にKH/KVが最も大きく、最大値10.2を示した。 木質炭素化物とSiO_2の混合物から,N_2ガス雰囲気において1600,1800℃でSiC/C複合体を焼結した。この焼結体の酸化により多孔質SiC/C複合体を作製し、ラマン分光装置と走査電子顕微鏡によって微細構造を分析した。熱電特性を調べたところ、すべてのサンプルがnタイプを示し、酸化によって得られた多孔質SiC/CのサンプルのSeebeck係数(起電力)は、酸化前のSiC/Cのサンプルより大きくなった。酸化なしのSiC/Cサンプルでは1800℃の焼結で熱伝導率は上昇し性能指数(Seebeck係数の2乗と電気伝導率の積を熱伝導率で割った値)は低下した。1800℃で焼結して得た多孔質SiC/C酸化サンプルの熱電特性の性能指数は測定温度700℃で2.01x10^-5K^-1の最も高い値を示し、実用レベルにはまだ到達していないものの酸化しない場合と比較して数百倍の向上がみられた。
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