研究課題/領域番号 |
17657066
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
細胞生物学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
永井 健治 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (20311350)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2006年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2005年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | 顕微鏡 / 蛍光タンパク質 / 可視化 / イメージング / 位相差法 |
研究概要 |
本研究では、生体試料の観察の自由度を増すため微弱な吸収分布を高感度に計測する手法を考案し、吸収分布増感対物レンズの開発を目指した。 従来より顕微鏡下での光学像観察には吸収・蛍光・位相差等の観察手法が用いられている。吸収(励起)波長または発光(蛍光)波長を選択することにより観察対象を識別できる。選択性を制御するため染色して観察する場合も多い。得られた光学像から吸光度または発光輝度を求めることにより定量計測が可能となる。 吸収分布計測に用いる照明光強度は一般的に蛍光分布計測時よりも低く、試料に対する侵襲性を抑えた観測ができる。多くの場合吸収量は微量であり、吸収分布を高感度に計測する手法を実現することは、観測対象・機会の拡大に有意義である。非染色での観測の可能性も出てくる。 吸収分布を高感度に計測するには、試料の吸光度を増幅して観測すれば良い。吸光度の増幅には大きく分けて、後処理にて電気的に増幅する手法と、リアルタイムに光学的に増幅する手法が考えられる。本年度は、観測系に工夫を加え光学的に増幅する手法を考案した。本手法を用いれば吸光度が増幅された光学像が得られる。検出に伴う雑音とは無関係に吸光度を増幅した観測ができる。後処理にてさらに増幅することも可能である。光学的に並列処理するため直接増幅像を目視にて観察することも可能である。実際の光学系は、コンデンサーレンズの前側焦点に位相差法と同様のリングスリットを挿入し、観察側は対物レンズの後側焦点面のリングスリットを通過した光の0次回折光が投影する領域にND膜を設置した。観察試料としては蛍光タンパク質を細胞核に発現する培養細胞を用いた。細胞核のみ吸収が増幅されて観測されることが期待されたが、位相情報による像形成が吸収情報を覆い隠してしまい、全く吸収像は観察されなかった。現在、位相情報を排除する光学系を考案中である。
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