研究課題/領域番号 |
17657083
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生理人類学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
村木 里志 九州大学, 大学院・芸術工学研究院, 准教授 (70300473)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2007年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2006年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2005年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 高齢者 / 人工環境 / 運動制御系 / 床環境 / 転倒 / バリアフリー / 障害物 / 体性感覚 |
研究概要 |
高齢者の転倒の発生場所は屋外だけでなく、住宅内なかでも居室が多い。その一因として、温熱や床環境の環境変化が考えられる。最終年度である本年度は特に、床温の影響および絨毯が足挙上に及ぼす影響の原因解明を中心に研究を実施した。 まず近年、床暖房が普及していることから、床表面の温度が障害物またぎ動作に及ぼす影響を検討した。床表面温度を22度ならびに30度に設定できるフローリングの床を作成した。そして高齢者(男性9名、女性9名)を被験者とし、2つの床表面温度のフローリング上にて障害物またぎ動作の比較を行った。障害物の高さは0.5、4、9cmとした。その結果、どの障害物の高さにおいても床表面温度の違いによってまたぎ動作の違いは見出せなかった。 次に、前年度の研究において、床が絨毯になると、高齢者が低い障害物をまたぐ際、フローリングや畳条件と比べ、足の挙上が有意に低下した。この原因として床を蹴り出す力が吸収され足の高さが低くなると示唆した。このことを検証するために、高齢者13名(男性7名、女性6名)を対象に、歩行中の床反力をフォースプレート上に絨毯を敷いた場合と敷いてない場合で比較した。その結果、鉛直方向の床反力には条件間に有意な差は認められなかった。 以上、3年間に渡り4つの実験を行った結果、高齢者は低い障害物において転倒の危険性が高く、さらに絨毯のような柔らかい床環境においてその傾向が強くなることが示唆された。残念ながらその原因までは解明出来なかったが、床環境の違いが運動制御機能に及ぼすことを見出し、高齢者の転倒と人工環境の因果関係を検討する必要性を示せたと思われる。
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