研究課題/領域番号 |
17658011
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
作物学・雑草学
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研究機関 | 独立行政法人農業生物資源研究所 |
研究代表者 |
石川 雅也 独立行政法人農業生物資源研究所, 植物科学研究領域・耐環境ストレス研究ユニット, 上級研究員 (90355727)
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研究分担者 |
岸本 正 独立行政法人農業生物資源研究所植物科学研究領域, 耐環境ストレス研究ユニット, 非常勤職員 (50425592)
中村 敏英 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構食品総合研究所, 微生物利用研究領域酵母ユニット, 非常勤職員 (60391588)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2006年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2005年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 環境ストレス / 植物 / 耐寒性 / 生理活性 / 凍結 / タンパク質 / 耐凍性 / 不凍活性 |
研究概要 |
越冬性作物では、低温馴化して耐凍性を獲得する。この耐越冬性や耐凍性機構の一つとして、細胞間隙に出現する不凍活性物質があり、氷晶成長や再結晶による氷肥大化を抑制して組織細胞を機械的損傷から保護していると考えられる。しかし、不凍活性物質は組織に少量しか含まれず、真の活性物質を同定するには、大量に活性画分を得ることが重要である。また、Griffithらによりイネ科植物の不凍活性の本体とされていた低温誘導性分泌型キチナーゼは、不凍活性がないことが研究担当者の形質転換植物の解析により判明した(Nakamura, et. al. 2007)。高耐寒性イネ科牧草、ブロムグラスの懸濁培養細胞の培地中には、低温処理により不凍活性が出現する。本研究では、この系を用いて真の不凍活性物質を同定することを目的とする。昨年度の結果から本不凍活性は熱耐性タンパク質と考えられ、本年度は、確立した手法により不凍活性物質の大量精製を行った。精製物の電気泳動を行い、目的タンパク質のバンド同定とESI-MSMSによる部分アミノ酸配列の同定を試みた。また、本活性の特徴を更に解析した。 1)本不凍活性出現に対する植物ホルモンの効果を調べた。ABA処理、MeJA、キチン処理等では活性が出現しなかった。エチレン処理により活性が出現した。不凍活性の有機溶媒耐性や各種レクチン処理の効果を調べた。殆どのレクチンは不凍活性を阻害しなかった。10%を超える有機溶媒では阻害されることが多いが、アセトニトリルには耐性が高い。 2)ブロムグラス細胞の低温下大量培養により、30L以上の培地を得て、これらを濃縮した。 3)4本のカラムにより、精製を進めた。 4)精製物の電気泳動を行い、候補のタンパク質のバンド数本が判明した。これらについて、ESI-MSMSによりアミノ酸部分配列を決定中である。 本研究は補欠採用で17年度途中から開始され、培養細胞の不具合等で研究進捗が予定より遅れているが、不凍タンパク質の同定まで一歩手前である。他予算で何とか遺伝子単離まで進捗させる予定である。
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