研究課題/領域番号 |
17658068
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
林学・森林工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小島 克己 東京大学, アジア生物資源環境研究センター, 教授 (80211895)
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研究期間 (年度) |
2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2005年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
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キーワード | 酸性土壌 / フトモモ科樹木 / アルミニウム耐性機構 / 根の伸長 / カロース / 根端 / 細胞壁 / プロトプラスト |
研究概要 |
フトモモ科樹木Melaleuca cajuputiは、従来研究されてきた草本作物と比べ極めて高いアルミニウム(Al)耐性を持ち、その耐性機構は、根からの有機酸の分泌など既知の機構ではないことが明らかになっている。M.cajuputiが持つ新規かつ強力なAl耐性機構が発揮されるレベル(個体レベルあるいは細胞レベル)とその存在部位(細胞壁あるいはプロトプラスト)を明らかにすることを目的として、個体とプロトプラストの二つ状態でAlに対する反応を同属の感受性種M.bracteataと比較した。M.cajuputiとM.bracteataの根を、1mMのAlCl_3を含む溶液に浸す処理をした。M.bracteataでは、処理開始から3時間後には根の伸長が阻害され、根端にカロースが蓄積した。一方M.cajuputiでは、根の伸長が阻害されず、根端にカロースが蓄積しなかった。これらのことから、Alによるカロースの蓄積がM.cajuputiとM.bracteataの耐性の違いを示す指標となることが明らかとなった。従来法を改変し、M.cajuputiとM.bracteataの根端からプロトプラストを単離する手法を確立した。単離したプロトプラストを1mM Alの等張液で3時間処理した。処理終了後に、いずれの樹種、処理ともプロトプラストが生存していることを蛍光指示薬FDAによって確認した。アニリンブルーを用いてカロース生成の検出したところ、蛍光強度が小さく処理や樹種による違いを明確に示すには至らなかったものの、M.cajuputiよりもM.bracteataでカロース蓄積が大きい傾向が見られた。M.cajuputiのAl耐性は、細胞レベルで発揮され、プロトプラストにその機構が存在する可能性がある。
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