研究課題/領域番号 |
17658075
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
林産科学・木質工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
磯貝 明 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 教授 (40191879)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2005年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | セルロース / 生分解 / 酸化酵素 / セルラーゼ / 1級水酸基 / セロウロン酸 / リアーゼ / 加水分解酵素 |
研究概要 |
セルロースの生分解機構については、セルラーゼによる加水分解のみが知られており、関連して多くの研究が進められている。一方、本研究では、セルロースの1級水酸基であるC6位の水酸基の酵素酸化がまず起こって親水性のカルボキシル基が導入され、続いてヒドロラーゼ型およびリアーゼ型の酵素によって低分子化、更に代謝されるという全く新しいセルロースの生分解ルートの存在を証明し、その機能と役割を解明しようとするものである。昨年度から、微結晶セルロース粉末(高結晶化度の天然セルロースI型の結晶構造)および銅アンモニア溶液から再生したセルロース(低結晶化度のセルロースII型の結晶構造)をイオン交換水中、市販セルラーゼで処理し、水可溶成分あるいは水不溶のセルロース残渣成分中に二重結合を有するヘキセンウロン酸基の存在の有無を検討してきた。滅菌が不完全なセルロース分散液を市販セルラーゼ処理した場合には、二重結合の存在を示すデータが得られたが、菌の混入による副反応の可能性があった。そこで、完全に滅菌した試料で市販セルラーゼ処理したところ、水可溶成分には二重結合の存在は認められなかったが、水不溶のセルロース残渣部分に二重結合の存在を示唆する結果が得られた。この結果の再現性を現在検討している。二重結合の存在が認められれば、セルロースの新しい生分解機構として、C6位の酸化に続いてリアーゼによるβ脱離型の分解が存在することになる。市販セルラーゼ処理残渣中の二重結合の存在は、クロマトグラフによる検出(250nm付近にヘキセンウロン酸基の二重結合由来の吸収が現れるはずなので)で進めている。
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