研究課題/領域番号 |
17658091
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
水産学一般
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
望岡 典隆 九州大学, 大学院農学研究院, 助手 (40212261)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2005年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | ウナギ / 寄生虫 / ウキブクロセンチュウ / ミトコンドリアDNA |
研究概要 |
本研究はウナギ鰾内に寄生するウキブクロセンチュウ類(Auguillicola)のmtDNAの塩基配列情報に基づき、本種の東アジア各地域における遺伝的変異を明らかにする。そして得られたDNAマーカーに基づいて、東シナ海を産卵回遊中の銀ウナギ鰾内の同線虫がどの地域個体群であるかを特定し、ウナギの生息地域を明らかにすることを目的とした。 平成18年度は、日本の太平洋側では栃木県、宮崎県において、日本海・東シナ海側では福井県、福岡県、鹿児島県において天然ウナギ計85個体を採集した。銀ウナギは長崎県から山口県沖合および紀伊水道で採集した。中国においては山東省青島と福建省廈門で採集を試みたが、天候不良や河川の汚染がひどく、汽水域や河川で天然ウナギを採集することはできず、魚市場で計10個体を入手した。得られたウナギは体各部の測定を行ったのちに、生殖線、耳石および鰾を摘出した。耳石は核を含む面が表出するまでダイアモンドペーストを用いて鏡面に研磨し、波長分散型マイクロアナライザーを用いて、SrとCaの含量を中心核から縁辺部に向かって測定し、塩分環境履歴を明らかにした。また、摘出した鰾から寄生虫を取り出し、形態の観察と計測を行った。耳石解析の結果、用いた天然ウナギは全て淡水生活型であった。銀ウナギを含む日本産では供試魚全体の約60%にAnguillicola crasiusの寄生がみられた。中国で得たウナギにはウキブクロセンチュウ類の寄生は見出されなかった。寄生虫から全DNAを抽出し、ミトコンドリアDNA遺伝子のうち、チトクロームb領域,12S/16SリボゾームRNA領域300-500bpをPCR法により増幅した。銀ウナギを含む日本産ウナギに寄生していたA.crasiusのいずれの遺伝子配列にも差異は認められず、これらは遺伝的に均質であることが明らかにされた。
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