研究課題/領域番号 |
17658114
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
畜産学・草地学
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研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
川島 千帆 帯広畜産大学, 大学院畜産学研究科, COE研究員 (20374770)
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研究分担者 |
金子 悦史 帯広畜産大学, 大学院畜産学研究科, COE研究員 (90374769)
宮本 明夫 帯広畜産大学, 大学院畜産学研究科, 教授 (10192767)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2005年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 栄養学 / 応用動物 / 生理学 / 獣医学 / 畜産学 |
研究概要 |
前年度の成果から、分娩直後の初回排卵には、エネルギー摂取に影響を受ける肝臓由来のインスリン様成長因子-I(IGF-1)が強く関わっていることが明確に示された。そこで、本年度の研究目的である「分娩直後の初回排卵で形成される未成熟で短命な黄体の人為的作出」のために、牛群を分娩直後の濃厚飼料増給率が遅い群と早い群の2群に分け、分娩後のエネルギー摂取状況の違いが、初回排卵の有無に与える影響について試験を行った。また、卵胞液中のエストラジオール(E2)濃度の異なる主席卵胞のIGF-1システムについても解析した。 1.分娩直後の濃厚飼料増給率が分娩後の初回排卵に及ぼす影響 分娩後の濃厚飼料増給率が、16日目で要求量に達する早い群(5頭)と35日で達する遅い群(5頭)の分娩後の初回排卵日を調べた。またエネルギー摂取状況は、乾物摂取量と血糖値で判断した。乾物摂取量は両群に差はなかったが、分娩後約2週間の血糖値は、先に濃厚飼料摂取量が要求量に達した早い群が遅い群に比べて高く推移した。しかし初回排卵日は、両群に差はなく、分娩後のエネルギー摂取量は分娩後の初回排卵に影響を及ぼさないことが示された。 2.卵胞の各発育ステージにおけるIGF-1システム 屠場由来の主席卵胞(平均直径13.5mm)を卵胞液中のE2濃度から、低E2卵胞(n=5)と高E2卵胞(n=5)に分類し、卵胞液中のfree IGF-1濃度と顆粒層細胞のIGF-1受容体(IGFR-1)mRNA、IGF結合タンパクの蛋白質分解酵素であるPAPP-AのmRNA発現を調べた。freeIGF-1濃度とIGFR-1mRNAは、低E2卵胞に比べ高E2卵胞で有意に高かった。また、PAPP-AmRNA発現も同様の傾向を示した。以上より、IGFR-1が多く、さらにPAPP-Aの作用により卵胞液中にfreeIGF-1が増加することが、卵胞でのE2産生を促進させることが示唆された。 以上の結果、分娩後の初回排卵には、肝臓からのIGF-1産生だけでなく、卵胞内のIGF-1システムも最も強く関わっているが、エネルギー摂取量の調節だけでは分娩後早期の初回排卵を誘起することが出来ないことが示唆された。
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