研究課題/領域番号 |
17658124
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用動物科学
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研究機関 | 生理学研究所 |
研究代表者 |
平林 真澄 生理学研究所, 行動・代謝分子解析センター, 准教授 (20353435)
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研究分担者 |
保地 真一 (保地 眞一) 信州大学, 繊維学部, 准教授 (10283243)
高田 達之 滋賀医科大学, 動物生命科学研究センター, 准教授 (90206756)
金子 涼輔 大阪大学, 大学院・生命機能研究科, 研究員 (40390695)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2007年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2006年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2005年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | テロメレース / トランスジェニックラット / TERT遺伝子 / 精原細胞 / ES細胞 / c-myc遺伝子 / ブスルファン / 不妊 / アトピー性皮膚炎 / CAGプロモーター |
研究概要 |
ラット精子幹細胞の移植精子幹細胞は次世代に唯一遺伝情報を伝えることができる組織幹細胞であり、同種間はもとより異種間でもその移植方法が確立されてきた。そこで本年度は、(1)投与時期の違いによる幹細胞増殖阻害剤の精原細胞に対する影響、(2)内在性精原細胞が除去されているトランスジェニックラット系統の精子幹細胞ニッチの正常性、という2点を調べた。(1)胎仔期から幼仔期のマウスやラットにブスルファンを投与すると精原細胞の増殖が阻害されて不妊になるが、投与時期がわずかに違うだけでもその影響の程度が異なってくる。本実験ではラット雄性生殖系列細胞のブスルファン感受性を明らかにすることを目的に、ブスルファンの投与時期と精原細胞の増殖阻害との関係を組織学的に検討した。母体投与では平均して22%の精細管で正常な精子形成が起こっており、また0dppでブスルファンを感作させた場合の正常精細管率は64%だった。この時期のブスルファン感受性に関する報告はないが、個体間変動があまりにも大きかった。一方7dppでの投与では、精母細胞が存在する精細管も認められたものの正常精細管率は0%だった。このようにブスルファン感作時期の違いにより精原細胞の枯渇状況が変化した。(2)c-mycを全身性に過剰発現させたラットが精子細胞のアポトーシスによって不妊になっていることに着目し、このトランスジェニック系統(MT-myc)が精細胞移植のレシピエントとして利用可能かどうか、検討した。ドナー細胞を移植することに成功した9個のレシピエント精巣中5個(55.6%)で1〜8個のEGFP発現コロニーが観察された。ドナー細胞が生着した精細管ではEGFPを発現している精子細胞が見られ、成熟精子までの正常な精子形成像も観察できた。c-mycを過剰発現するトランスジェニックラットの精細管には、移植したドナー細胞が正常発生に寄与しうる精子細胞・精子へ分化するに必要なニッチが残っていたと示唆される。このことから、c-mycトランスジェニックラットは精細胞移植のためのレシピエントとして利用可能なことが明らかになった。
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