研究課題/領域番号 |
17658155
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用分子細胞生物学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
原 敏夫 九州大学, 農学研究院, 助教授 (50117222)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | セルフリー / 糖タンパク質 / 糖鎖 / 細胞抽出液 / 遺伝子 / 翻訳後修飾 / プロテオーム / 生体機能利用 / 蛋白質 |
研究概要 |
本研究では、次世代ポストゲノム研究支援ツールの開発を目指し、微小変異構造の形成を抑制し、標的タンパク質へ、単一の構造から形成された糖鎖の付加を可能とする事でのin vivo発現系との差別化を試みることにより無細胞糖タンパク質合成系であるICE Systemの高機能化を行った。併せて、付加される糖鎖構造を、タンパク質の生化学的特性改変に利用する為の「糖鎖リモデリング技術」の確立を目指し、ICE Systemで付加する糖鎖構造・構成糖の推定を、酵素的消化法による生化学的アプローチにより試みた。 ICE Systemにおいてエリスロポエチン(Epo)に付加したN-グリカンは、PNGase F活性に感受性、Neuraminidase活性に耐性を示した事で、複合型糖鎖の特徴を否定し、Endo H活性への感受性提示とEndo D活性への耐性からその糖鎖構造内に(Man)_4-(GlcNAc)_2を最小必須構造とした、1-3アームオリゴ糖非還元末端方向へのピラノース残基の存在を示した。また1,2-α-Mannosidase活性へ感受性を示すものの、検出されるバンドが収束しない事象は、上記母核糖鎖構造の非還元末端にα1-2結合マンノピラノース残基の存在と、微小変異構造の存在を示唆した。一方、preEpo His×6tagとの分子質量の相関関係から、その構成糖にグルコピラノース残基の存在を考察させるに至った。加えてSDSゲル上におけるMobilityからg-Epoは、その構成糖に分子式=C_6H_<12>O_6で表されるピラノースのエピマーを11〜12残基程度の範囲で含有している事を示し、酵素的消化法から推定したハイマンノース型糖鎖構造[(Glc)_<3〜2>-(Man)_9-(GlcNAc)_2]の形成を示唆した。 以上の結果から、ICE Systemで合成されたEpoに付加するN-グリカンは、ハイマンノース型構造であり、その構成糖は(Glc)_<3〜2>-(Man)_9-(GlcNAc)_2であると推定した。
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