研究課題/領域番号 |
17659011
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理系薬学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中津 亨 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (50293949)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2005年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | エンドポリガラクツロナーゼ / 水素 / X線結晶構造解析 / 原子分解能 / グリコシダーゼ / 一般酸-塩基触媒 / 中性子結晶構造解析 |
研究概要 |
一般酸-塩基触媒機構によって触媒される酵素エンドポリガラクツロナーゼの基質認識機構を解明するため、部位特異的変異、各種リガンドを導入した種々の結晶構造の解析を行った。 リガンドを含まない天然型酵素の立体構造を0.75Åの原子分解能で決定した。前年度、構造決定した反応生成物ガラクツロン酸との複合体と比較した結果、活性中心の還元末端側のサブサイト+1に結合したガラクツロン酸の3位の水酸基と水素結合するAsn91が存在するループの構造が大きく異なっていた。また、ガラクツロン酸(GalA)のカルボン酸部分を認識するArg226とTyr262の側鎖に構造変化が見られ、これらの構造変化が基質の認識に重要であると考えられた。 さらに、酵素基質複合体の構造を解明するため、一般酸触媒であるAsp173を置換したD173N変異体と基質ガラクツロン酸6量体との複合体の結晶構造解析を1.15Å分解能で行った。その結果、活性中心の非還元末端側は4残基分の基質結合サブサイトが存在することが確認できた。また、サブサイト+1のGalA残基の3位の水酸基はAsn91と水素結合せず、Asn91付近のループは天然型酵素単体の構造に類似していた。さらに、一般塩基触媒残基の候補であるAsp153を置換したD153N変異体と基質の複合体の結晶構造を0.85Å分解能で決定し、D173N複合体の構造と比較した。その結果、D153N複合体では、サブサイト+1のGalA残基の3位の水酸基はAsn91と水素結合し、Asn91付近のループ構造は、天然型酵素と生成物GalAとの複合体構造類似していた。このことから、一般酸触媒Asp173とグリコシド酸素との水素結合が基質の正確な認識に必須であることが確認できた。
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