研究課題/領域番号 |
17659024
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
萩原 健一 国立感染症研究所, 細胞化学部, 第一室室長 (40192265)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2007年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | プリオン病 / 感染症 / 脳神経疾患 / 生体分子 / 蛋白質 / 脳・神経 / プリオン / スフィンゴ糖脂質 / コレステロール / neuro2a |
研究概要 |
N2a細胞においてガングリオシド前駆体(グルコシルセラミド)の生合成を阻害すると、 N2a細胞での異常型プリオン蛋白質の産生・蓄積が減少することが示されている(=前年度までの研究成果および他のグループによる報告による)。本年度は、このような細胞レベルの結果をふまえて、個体レベルでの特定の糖脂質の欠損はプリオンへの感受性、或いは感染後の病変の神経脱落部位や病理像へ影響を与えるだろうか、という疑問に対する検証を行った。すなわち、ガングリオシド生合成を担う酵素群のうちGM3合成酵素(GM3 S)あるいはGalNAc転移酵素(GalNAc-T)の遺伝子を破壊したマウスに対して、プリオン感染実験を行った。GM3Sノックアウト・マウスにスクレーピー・ObihiroI株を脳内/腹腔内接種したところ、脳内接種群では疾病終末期に至るまでの日数はGM3S-/-マウス=167日(162〜173日、n=10);+/+マウス=174日(166〜177日、n=10)となり、-/-マウスが僅かに早かったが大差は認められなかった。腹腔内接種群については、現在経過を観察中である。一方、GalNAc-Tノックアウト・マウスの疾病終末期までの日数は、-/-マウス=280日(268〜321日、n=11);+/+マウス=296日(282〜341日、n=11)となり、-/-マウスは野生型マウスよりも約2週間短かった。脳内接種群については、経過観察中である。N2a細胞の実験結果からGM3SあるいはGalNAc-T欠損マウスはプリオン病発症に至るまでの潜伏期間が長期化するであろうと予想したが、2系統のマウスへの感染実験は予想と反する興味深い結果を与えた。現在、発症マウスから採材した神経組織などの生化学的・病理学的解析を進め、細胞レベルと個体レベルの比較解析を進めている。
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