研究課題/領域番号 |
17659044
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医療系薬学
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
大森 栄 信州大学, 医学部附属病院, 教授 (70169069)
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研究分担者 |
松永 民秀 信州大学, 医学部附属病院, 助教授 (40209581)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2005年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | サル / 胚性幹細胞 / 肝細胞 / マトリゲル / HNF-3β / 薬物動態 / 分化 / シトクロムP450 / 薬物代謝酵素 / GATA-4 |
研究概要 |
サル胚性幹細胞(ES細胞)より作製した胚様体(EB)をコラーゲンI(CI)処理した培養皿にて接着培養した。培養後10日目に肝細胞マーカーであるα-フェトプロテイン(AFP)、15日目にアルブミン(ALB)およびCYP7A1遺伝子の発現が認められたことにより肝細胞へ分化していることが示唆された。さらに、薬物代謝型シトクロムP450(CYP)分子種であるCYP1A1の発現は、EB培養5日目から、CYA3A66は10日目から、CYP2C20、CYP2D17やCYP3A8の遺伝子も15日目からすでに発現していることが明らかとなった。また、この系に核内転写因子であるHNF-3βを導入することにより、肝細胞マーカーならびに薬物代謝型CYP分子種のmRNAの発現が増加した。以上の結果より、サルES細胞の肝細胞への分化系を確立すると共に、HNF-3βの導入はサルES細胞の肝細胞への分化を促進することが示唆された。次に、マトリックスの分化に及ぼす影響について検討した。EBの培養マトリックスとしてマトリゲル(MG)を用いた場合、肝マーカー遺伝子の発現はCI及びマトリゲルレデュースド(MR)と比較して顕著に高かった。また、CYP1A1とCYP2C43の発現レベルもMGを用いた場合、他のマトリックスと比較して顕著に高い発現が認められた。しかし、CYP2D17及びCYP3A8はマトリックス問で殆ど差が認められず、mRNA発現に対するマトリックスの影響が分子種間で異なることが明らかとなった。また、CYP1A1のmRNA発現は3-メチルコラントレイン処理により、CYP3A8はリファンピシン及びフェノバルビタール処理により顕著に誘導されたが、CYP2C43とCYP2D17はいずれの誘導剤処理においても殆ど変動しなかった。以上の結果より、MGでの培養はES細胞の肝細胞への分化を促進することが明らかとなった。また、誘導剤のCYP分子種に対する影響が対応するヒトの分子種と同様であったことから、サルES細胞由来肝細胞がヒトの薬物動態研究の有用なモデルとなることが示唆された。
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