研究課題/領域番号 |
17659047
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医療系薬学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中川 晋作 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (70207728)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2006年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2005年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | ワクチン療法 / 腫瘍免疫 / 遺伝子治療 / アデノウイルスベクター / アポトーシス抑制 / 樹状細胞 |
研究概要 |
本研究では、樹状細胞(DC)へ抗アポトーシス蛋白質遺伝子を導入し、アポトーシスに抵抗性を示すDCを用いた新たなDCワクチンの可能性を検討する。今年度は、昨年度作製した抗アポトーシス活性を有するBcl-xLならびにFNK遺伝子発現アデノウイルスベクターを用いてアポトーシス抵抗性DCを調整し、「アポトーシス抵抗性DCのin vivo生存性」並びに「アポトーシス抵抗性DCのin vivo免疫誘導能」の検討を行った。抗アポトーシス活性を有するBcl-xLならびにFNK遺伝子を導入したアポトーシス抵抗性DCは、抗原遺伝子を単独で導入したDCと比較して、強力な抗腫瘍免疫を誘導可能であることをマウス腫瘍モデルで明らかにした。このメカニズムを解析した結果、アポトーシス抵抗性DCは、抗原遺伝子を単独で導入したDCと比較して、マウス生体内における抗原特異的CTL誘導能が向上していた。さらにアポトーシス抵抗性DCはマウス生体内において、所属リンパ節への到達性に優れており、生体内生存性の向上が、リンパ節内におけるCD4+、CD8+両T細胞サブセットの強力な活性化に繋がることを明らかとした。 以上、DCのアポトーシスを抑制して生体内安定性を高める本アプローチが、DC癌免疫療法の有効性向上に繋がることを明らかとした。細胞の生体内安定性を高める本手法は、DCのみならず、CTL療法や腫瘍浸潤リンパ球などの機能強化を実現する新たなテクノロジーとして、免疫細胞療法の実用化に大きく貢献できるものと期待する。
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