研究課題/領域番号 |
17659114
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
戸口田 淳也 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (40273502)
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研究分担者 |
長山 聡 京都大学, 大学院・医学研究科, 助手 (70362499)
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研究期間 (年度) |
2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2005年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | 癌肉腫 / 上皮間葉転換 / 滑膜肉腫 / クローディン / ELF3 |
研究概要 |
1.滑膜肉腫(synovial sarcoma、SS)腫瘍組織における上皮構造形成関連遺伝子の発現解析 まずRT-PCR法により、SSにおけるクローディン(CLDN)遺伝子群の発現解析を行ったところ、CLDN4、CLDN7及びCLDN10が、上皮構造を呈する二相性滑膜肉腫において特異的に発現していることが判明した。次に各CLDNに対する抗体を用いた免疫組織染色を行ったところ、二相性滑膜肉腫組織の単層円柱上皮様領域にのみ、CLCN7とCLDN10が明瞭に染色された。CLDN4も一部に染色されたが、他の2種類と比較すると強度及び陽性率は低かった。 2.CLND7及びCLDN10遺伝子の発現調節機構の解析 次にCLDN7及びCLDN10遺伝子の発現調節機構を、luciferaseレポーターシステムを用いて解析した。その結果、CLDN7ではプロモーター領域のEts結合部位を含む断片に活性が存在しているが、CLDN10はEts結合部位を含まない断片に最も高い活性が認められ、両者が異なる制御を受けている可能性を示唆する結果が得られた。 3.ELF3の関与 二相性滑膜肉腫で発現が高いことが知られているEts family転写因子の一つであるELF3の関与を検討した。RT-PCR法ではCLDN7の発現と完全に一致していた。免染組織染色ではCLDN7陽性細胞に強く陽性であったが、紡錘形細胞の一部にも発現が認められた。上記のレポーターシステムを用いた解析では、ELF3を共発現することにより、転写活性は著しく亢進し、クロマチン免疫沈降法によりEts結合部位にELF3が結合することが証明された。 以上より、SSにおける上皮構造形成にはCLDN7が必須であり、その発現はELF3により制御されていることが明らかになった。
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