研究課題/領域番号 |
17659124
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
寄生虫学(含衛生動物学)
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
沢辺 京子 国立感染症研究所, 昆虫医科学部, 室長 (10215923)
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研究分担者 |
佐々木 年則 国立感染症研究所, 昆虫医科学部, 主任研究官 (10300930)
伊澤 晴彦 国立感染症研究所, 昆虫医科学部, 研究員 (90370965)
津田 良夫 国立感染症研究所, 昆虫医科学部, 室長 (20207393)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2006年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2005年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 昆虫 / 脂質 / インフルエンザウイルス / 地理的変異性 / 長距離移動 / ウイルス伝播 / ウイルス / 感染症 |
研究概要 |
1)鳥インフルエンザウイルスの伝播への関与が示唆されるオオクロバエの移動分散能力をパルミトオレイン酸(C16:1)の増加と翅の破損度から考察した。冬季飛来したと推定されるオオクロバエの本脂肪酸の増加率は43%で、室内実験で得られた増加率から推定すると、羽化後20日から25日のオオクロバエが採集されたことが示唆された。これら個体の翅の破損度は、京都で採集した個体の平均4.2よりも有意に大きかった(平均4.5)ことから、長距離移動した個体と推察されるものの、記号放逐実験から得られた1-2km/日の移動能力から約200kmの朝鮮海峡の移動が可能かは疑問であり、さらに移動生理を加味した議論が必要であると総括した。 2)海外よりの飛来地と推定される西日本の4県(山口,福岡,佐賀,宮崎)で、2004年10月〜2007年2月にオオクロバエを採集しインフルエンザウイルス遺伝子の検出を行った。合計1,887個体96プールを対象にマトリックスタンパク(M)遺伝子およびヘマグルチニン(HA)遺伝子を検出した結果、2006年11月佐賀県西有田町で採集された集団(620個体31プール供試)の1プールからM遺伝子断片が検出された。この採集地には水禽類も集まることから、水禽類が有するウイルスの伝播にオオクロバエが関わる可能性が強く示唆された。 3)西日本の飛来地において採集された個体と、東日本の各地に生息する個体との両者で遺伝的差異を判別する分子マーカーを作成し、地理的変異を評価しようと試みた。現在西日本における採集は2年間の本研究期間でほぼ終了し、オオクロバエからのDNA抽出とPCRによる判別作業を進めている。しかし、東日本における採集は未だ継続中であり、今後個体数を増やして結果の集計を行う予定である。
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