研究課題/領域番号 |
17659132
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
ウイルス学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
菅村 和夫 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20117360)
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研究期間 (年度) |
2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2005年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
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キーワード | パルボウイルス / B19 / 細胞周期 / 細胞死 / オートファジー / LC3 |
研究概要 |
胎児水腫をはじめとする重篤な疾患を惹起するヒトパルボウイルスB19は一本鎖ヘアピンDNAをゲノムとする最小ウイルスとして知られている。B19ウイルス感染によって宿主細胞周期停止や細胞死が誘導されることが報告されてきたものの、その分子機構の解明は不十分であった。B19ウイルス感染による細胞傷害活性とは、細胞周期G1期及びG2期停止の誘導及びそれに続く細胞死である。G1期停止はウイルス非構造タンパクNS1によって誘導され、p21/WAF1プロモーターの転写活性化によって起きる。一方、G2期停止に陥った細胞は、ウイルスDNAのヘアピン構造により誘導されることが推測されている。そこで本研究ではG2期停止に陥った細胞を電子顕微鏡にて観察し、ミトコンドリア変性小胞を含む膨大化した細胞という特徴的な形態変化を観察した。さらに、LC3の分解が確認されたことから、オートファジーがB19ウイルス感染細胞においては誘導されていることがわかった。オートファジー抑制薬剤である3-MAを使った実験により、オートファジーによって感染細胞の細胞死が抑制されることが明らかとなった。オートファジーはウイルスの侵入から複製までの期間を生存させることで、ウイルス複製に寄与することが推察される。以上の結果から、NS1によるG1期停止と、G2期停止後におこるオートファジーを伴った細胞死という機構が、B19ウイルスのもつ細胞傷害活性の本体であると考えられた。
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