研究課題/領域番号 |
17659149
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医療社会学
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
保住 功 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (20242430)
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研究分担者 |
犬塚 貴 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 教授 (50184734)
田中 優司 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 助手 (70377654)
木村 暁夫 岐阜大学, 医学部附属病院, 助手 (00362161)
高田 知二 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (90293555)
竹内 登美子 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 教授 (40248860)
岡本 恵里 静岡県立大学, 看護学部, 助教授 (20307656)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 難病 / ALS / ネットワーク / IT / 心のケア / PC / 神経難病 / カウンセリング |
研究概要 |
初年度の計画を継続した。IT機器を活用したメール通信の対象者は8名の筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者である。E・メールにて送信した内容は・花の写真・患者の外出写真・米国での研究の進展・日本での研究の進展・パイプオルガン・薬草と音楽・食事アンケートである。「薬草と音楽のCD」、「パイプオルガンのコンサートのCD」は郵送した。「食事アンケート調査」、介入前後における「5つの関心事等QOLの調査」は郵送も合わせて行なった。メール送信内容に関する送信者側、受信者側における視覚スケール評価に有意な差は見出せなかったが、両者とも病気の治療に関する情報提供に最も関心が高かった。患者の年齢(±1)、性別を一致させた対照者のSEIQoL評価は73.2±14.9(n=15)、患者では介入前に関心事(キュー)が得られたのは6名、SEIQoL評価は62.6±15.0(n=5)。介入後では関心事(キュー)が得られたのは7名、SEIQoL評価は63.3±18.7(n=7)とSEIQoL評価に介入前後で有意な差は認められなかった。SEIQoL評価に協力の得られなかった47歳の男性は終始narrativeな返信をメールで送ってもらい、また音楽やこのようなメール通信に大変理解と感謝を示してくれたが、SEIQoL評価に関しては全く回答が得られず、無理強いはしなかった。学生時代は哲学を専攻し、無回答は彼の信条によったものと思われた。しかし、全体での介入前後で得られた関心事(キュー)の数は介入前は2.88±1.94(n=8)、介入後は3.75±1.87(n=8)で片側t検定で有意差(p<0.05)を持って増加が認められた。実際、narrativeな回答においても介入後「インターネットからパイプオルガンの音楽が聞けて驚いた、パイプオルガンの曲をもっと聴きたくなった」「患者さんが外出する写真を見て、自分も2年間外へ出ることがなかったが、外出してみたくなった」など明らかに関心の増大、行動の変容が認められた。一方、IT機器を活用したメール通信にはハード面での改良、患者教育も重要と考えられた。関係者が集う研究会は延10回、後半は毎回30人を越える参加者となった。また海外との情報交換、比較検討もe-メール等を介して行なうことができ、旅費はハード面での改良費に当てた。研究会における研究のまとめの総括冊子、英語論文(ALSに投稿予定)も現在準備中である。
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