研究課題/領域番号 |
17659158
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用薬理学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
渡邉 建彦 東北大学, 名誉教授 (70028356)
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研究分担者 |
倉増 敦朗 東北大学, 大学院医学系研究科, 講師 (90302091)
田代 学 東北大学, サイクロトロンRIセンター, 助教授 (00333477)
櫻井 映子 東北大学, 大学院医学系研究科, 助手 (90153949)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2006年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2005年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | ヒスタミンH4受容体 / マススペクトロメトリー / ERMファミリー蛋白質 / 低分子量G蛋白質 / マスト細胞 / カルシニン / カルボキシ末端 / ヒスタミントランスポーター / 統合失調症 / 社会的隔離ストレス / 認知機能 / ヒスタミンH1受容体欠損マウス / G蛋白質共役受容体 / プロテオミクス |
研究概要 |
1.ヒスタミンH4受容体(H4R)のカルボキシ(C)末端に結合する蛋白質の同定 マウスH4R・C末端をグルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)融合蛋白質として大腸菌で発現させ、それをグルタチオンビーズに結合しアフィニティカラムを作製した。このカラムを用いてマウス骨髄由来マスト細胞(bone marrow derived mast cells, BMMC)の1% Triton X100可溶性画分をアフィニティ精製し、H4R・C末端結合蛋白質を溶出した。マススペクトロメトリーを用いて、結合蛋白質を解析した結果、ERM (ezrin/radixin/moesin)ファミリー蛋白質であるezrinとmoesin、また、低分子量G蛋白質であるrac1とrac2を同定した。ERMファミリーの蛋白質は、細胞膜蛋白質とアクチン細胞骨格とを繋ぎとめる役割を持っている。またracは、マスト細胞のケモタキシスにおいて、細胞骨格の再構築に重要な役割を持つことが知られる。H4Rは、ヒスタミンをアトラクタントとしたマスト細胞のケモタキシスを媒介する受容体として知られているので、これらの結果および知見は、今回同定された結合蛋白質が、H4Rを介するケモタキシスにおいて何らかの機能を持つことを強く推測させる。 2.カルシニン(β-alanylhistamine)のヒスタミン受容体リガンドとしての評価 我々は、カルシニンがヒスタミンH3受容体(H3R)のアンタゴニストとして働くことを報告している。多くのH3RのリガンドはH4Rにも作用することから、カルシニンのH4Rに対するリガンドとしての活1生を調べた。H4Rを発現させたHEK293細胞の膜標本を用いた[^3H]histamine結合実験では、カルシニンは濃度依存的に[^3H]histamineの結合を阻害した(Ki=58nM)。また、cAMP response element (CRE)の支配下にルシフェラーゼを繋いだレポータープラスミドを用いた機能解析では、R4R発現293細胞において、フォルスコリン刺激によるCRE活性の増加を、カルシニンは濃度依存的に抑制した(pEC_<50>=6.86,α=0.94)。この結果から、カルシニンはH4Rのフルアゴニストであることが示唆された。
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