研究課題/領域番号 |
17659161
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
病態検査学
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
安田 年博 福井大学, 医学部, 教授 (80175645)
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研究分担者 |
河合 康幸 金沢医科大学, 医学部, 講師 (40324157)
飯田 礼子 福井大学, 医学部, 助教 (40139788)
植木 美鈴 福井大学, 医学部, 助手 (00165656)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2007年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 心筋梗塞 / deoxyribonuclease I / 低酸素ストレス / 診断マーカー / 転写因子 / 疾患感受性遺伝子 / 遺伝的多型 / SNP / ケースコントロール解析 / 遺伝解析 / 急性心筋梗塞 / 経皮的冠動脈形成術 / 心筋虚血 / 血清 |
研究概要 |
従前の研究から、血清deoxyribonuclease I(DNase I)が急性心筋梗塞(AMI)発症後急激な活性上昇を示すことを見出した。血清DNase Iは急性期における急性心筋梗塞の生化学的診断マーカーになりうるど期待された。そこで、本年度は、AMI発症に伴う血清DNase Iの上昇機序を解明するための研究を実施した。 1.DNase Iを産生するヒト膵臓がん由来細胞QGP-1を用いて関連する転写因子の同定を行ったところ、転写因子Sp1がDNase I遺伝子の主要な転写因子であることが明らかとなった。 2.QGP-1細胞を低酸素暴露したところ、細胞内および分泌DNase I活性が上昇した。さらに、DNase I mRNAレベルは低酸素暴露に対応して増加しており、低酸素によってDNase I遺伝子の発現が亢進することが明らかとなった。その応答には、多くの低酸素応答に関与する転写因子HIF-1は関与せず、Sp1との結合性の上昇が関与していた。従って、DNase I産生細胞に対するAMIに伴う低酸素暴露によってDNase I遺伝子発現が亢進し、その結果血中DNase Iレベルが上昇する機序が想定できた。 3.Sp1は様々な細胞に広く分布している転写因子であり、一方DNase I産生部位は膵臓や小腸など限定されている。そこで、DNase I mRNAの詳細なRT-PCR解析をしたところ、多くの組織でDNase I遺伝子の発現が確認されたが、正常なDNase Iタンパクを産生するDNase I mRNA isoformの産生は膵臓など限られた臓器に観察された。従って、DNase I遺伝子は広範な部位で発現しているが、alternative splicingによって特定の臓器のみで正常な酵素活性を有すDNase Iが産生されていることが明らかとなった。今後、低酸素暴露によるDNase I mRNAのalternative splicingへの影響などを検討する予定である。
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