研究概要 |
(1)透過光により顕微鏡から得られる画像を平面断層像と三次元立体像に変換するプログラムの開発として,透過画像を自由平面で断層像に変換するためのFFT変換,逆FFT変換,ラドン変換,逆ラドン変換プログラムの作成を行った.カラーが画像に対しての断層像の再構築を行うための方法としては,RGBの色要素に分けて変換操作を行った. (2)分光した画像を評価を行ったが,CCD画像センサの信号をFFT変換し特定波長域に分光する方法では,特定波長の画像に対して断層画像の変換を行うと画質の劣化が大きく生じた. (3)試料内部を通過する光の散乱による画質の劣化に対しては,フォトンマッピング法による光の散乱状態の計算から画質の改善を行うプログラムを検討したが,計算時間が多く要し実用的なものでなかった.そのため光源と受光器の間に偏向板を挿入して波長特性を揃えることにより改善を試み,多少ではあるが画質の向上を見た. (4)光透過性と画像表示精度を検証するためにダミーサンプルとしてアクリル樹脂に封入した有色素体や不透明体を利用し,透過特性,散乱特性,画像再構築に関する画像特性の評価と検証を行った (5)透過光源の均一性と等分散性を向上させるために光源用のオパールグラスフィルターの挿入を検討したが,等分散光から得られる透過画像の情報量が少ないため復元は困難であった. (6)顕微鏡光源の安定性と画像の安定性と画像ノイズの低減を目的とする安定化電源と低雑音画像増幅器の製作. (7)平成17年度作成した装置を光学的分光機能に変更する目的で,波長選択が可能な分光光源装置と高感度高分解能平面CCDセンサ装置の追加を行った. (8)染色した各細胞の組織画像に適応したが断層像は得られるものの散乱光による画像の劣化を防ぐ方法が今後の課題として残った.
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