研究課題/領域番号 |
17659166
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
病態検査学
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
蔵満 保宏 山口大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (50281811)
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研究分担者 |
中村 和行 山口大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90107748)
赤田 純子 山口大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (30346548)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | プロテオミクス / 肝細胞癌 / 自己抗体 / HSP70 / Mn-SOD / Peroxiredoxin / プロテインチップ / 質量分析 |
研究概要 |
難治性消化器癌患者血清中の自己抗体検出用プロテインチップの開発を目指して以下の実験を行った。ただし、今回は難治性消化器癌のうち、肝癌にターゲットを絞って自己抗体検出用プロテインチップを開発した。下記に目的、方法、結果を記載する。 これまでC型肝炎ウイルス(HCV)感染後に発癌(HCC)した患者(HCV-HCC)の癌部組織と非癌部組織のプロテオーム解析を行い報告してきた。しかしながら、腫瘍マーカーを目的とした患者血清中の特異的タンパク質の同定はできていない。そこで、腫瘍マーカーとして期待できる患者血清中の自己抗体検出を目的として、B型肝炎ウイルス(HBV)もしくはHCV感染後に発癌した15例の患者からの癌切除手術の際に入手した癌部と非癌部の組織から抽出したタンパク質を二次元電気泳動で展開した後にPVDF膜に転写して、それぞれのHCC患者自身の血清、もしくは20例の健常者血清を用いてウェスタンブロットを行った結果、健常者血清に比べてHCC患者血清に強く認識されるタンパク質スポットが4スポット検出された。これら4スポットに対応するCBBR-250によって染色したゲル上のスポットをLC-MS/MSを用いた質量分析により同定した結果、Peroxiredoxin、HSP70.1、Mn-SODの3つが同定できた。質量分析結果の確認のためにリコンビナントタンパク質のPeroxiredoxin、HSP70.1、Mn-SODを用いて血清のウエスタンブロットを行ったところ、健常者血清に比べ有意にHCC患者血清中のPeroxiredoxin、HSP70.1、Mn-SODに対する自己抗体の増強が確認できた。さらに、HCC患者血清中のHSP70.1に対する自己抗体の抗体価を検証するために、血清を希釈してHSP70.1リコンビナントタンパク質に対してウエスタンブロットを行ったところ、1000倍希釈まで検出可能であることが明らかになった。これら3種類の自己抗体に認識される抗原タンパク質をダイヤモンド様コーティング金属基板に強固に貼付けたプロテインチップを開発した。
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