研究概要 |
アフィニティカラムを利用した16SrRNA分子の単離方法の確立:昨年度作成し、実験を行ったプローブの位置は細菌の共通配列としては保存性が最も高く最適であるが、カラムへのアフィニティ効率が低いことが判明した。理由は16SrRNA分子の立体構造が障害となりカラム上のプローブに16SrRNA分子内の目的の配列がうまく到達しないためと考え、16SrRNA分子の末端位置でのプローブの設計を行った。5‘末端側の位置および3'末端側の位置の配列を利用したプローブを作成し、アフィニティ効率の比較実験を行った。具体的には(1)5`末端側のプローブUp35(Tm=75.4)をつけたアフィニィティカラムの設計および作成(2)3'末端側のプローブLo27(Tm=75.9)のカラムの設計および作成(3)上記の2種類プローブを等量づつ混合したアフィニィティカラムの作成を行い、検討にはE.Coli DNAよりPCR法による増幅産物1,500bp 16SrDNA分子を用いた。その結果、(2)3'末端側のプローブの効率が高いことが判明した。上記、選定を行ったプローブ位置での16SrRNA分子の溶離条件の検討を行った。1,500bp 16SrDNA分子では、NaCl塩濃度0.3M,温度勾配8.75℃/min(55℃から90℃),流速0.1mL/minの条件が最も効率よく溶離できた。また、16SrRNA分子ではNaCl塩濃度0.15M,温度勾配10℃/min(55℃から95℃),流速0.1mL/minの条件が効率よく溶離できた。細菌RNA分子の抽出にはSV total RNA Isolation System(Promega)を用いた。 送液装置の改良:送液部分をメタルフリーに改良した結果、溶離液中のEDTAと金属の反応が解消され、サンプルに蛍光ラベルの必要がなくなり、高分子核酸をintactな状態で溶離することが可能となった。
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