研究課題/領域番号 |
17659177
|
研究種目 |
萌芽研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
衛生学
|
研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
中西 涼子 京都府立医科大学, 医学部, プロジェクト研究員 (60398378)
|
研究分担者 |
与五沢 真吾 京都府立医科大学, 医学研究科, 助手 (70381936)
曽和 義広 京都府立医科大学, 医学研究科, 講師 (70315935)
|
研究期間 (年度) |
2005 – 2006
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2005年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
|
キーワード | 遺伝子 / 癌 / 発現制御 / 食品 / スプライシング / ビタミンD3 / ルテオリン / スルフォラファン |
研究概要 |
ビタミンD3は大腸癌、乳癌、前立腺癌等に対し抑制的に働くと考えられている。我々はビタミンD3が転写因子NF-Yを介してp27遺伝子を活性化することを見出した。 NF-YはA、B、Cのサブユニットから成るが、Aサブユニットにはスプライシングの違いで長型と短型があり、臓器特異性が指摘されている。我々はビタミンD3により、NF-YAの短型の増加が起こることを発見した。そこでまず、NF-YA長型と短型との間でp27遺伝子プロモーター活性化能を比較するため、それぞれの発現プラスミドベクターを作製した。これらとp27遺伝子プロモーターレポータープラスミドをU937細胞に共導入し、プロモーターアッセイを行ったが、長型、短型による違いはみられなかった。U937中には内在性のNF-YAが存在するため、外来性発現ベクターによる影響がみられない可能性が考えられた。そこで内在性NF-YAの存在しないSchneider cell line 2(SL2)を用いて同様の実験を行ったところ、転写因子Sp1とNF-YA短型の共導入で、Sp1とNF-YA長型の共導入と比較して約4倍のp27プロモーター活性化率上昇がみられた。この結果から、p27遺伝子においてもSp1とNF-Yが協調的に働いて転写を活性化する可能性と、NF-YA短型がより強い転写活性化能を有することが示唆された。今後NF-YAの変異体発現プラスミドベクターを作製し、これらを用いてNF-YAの機能ドメイン解析を行っていこうと考えている。また癌抑制能をもった食品成分の検索に関して、ルテオリンとスルフォラファンが、アポトーシス誘導に関与するDR5遺伝子の発現を上昇させることを見出した。DR5もスプライシングを受けることが知られているが、これらについては、今後動物実験系も用いながら、癌予防効果について更に検討していきたい。
|