研究課題/領域番号 |
17659265
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 札幌医科大学 (2006) 京都大学 (2005) |
研究代表者 |
下濱 俊 札幌医科大学, 医学部, 教授 (60235687)
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研究分担者 |
川又 純 京都大学, 医学研究科, 助手 (60360814)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 筋萎縮性側索硬化症 / 分子シャペロン / HSP / 誘導剤 / 治療 / 運動ニューロン / SOD1 / 変異SOD1 |
研究概要 |
家族性筋萎縮性側索硬化症(FALS)の原因遺伝子である変異SOD1の病態的意義を解明するために、変異SOD1と結合する新たなタンパク質を同定し、その役割について解析した。マウスのneuroblastoma cell lineであるNeuro2Aに変異SOD1(G93A)を過剰発現したサンプルおよび変異SOD1(G93A)トランスジェニックマウスの脊髄組織で変異SOD1と特異的に結合するバンドが認められ、質量分析にてheatshock protein 105(HSP105)と判明した。HSP105と変異SOD1の結合は抗体を用いたプロットでも確認した。また一定量の沈降抗体により共沈するHSP105の量は、wild type SOD1では認められず、変異SOD1の病原性の強さと相関していることが分かった。G93Aトランスジェニックマウス脊髄の主要なシャペロンのタンパク量の経時的な変化を検討したところ、運動麻痺の進行期においてHSP70およびHSP27は上昇を示したが、対照的にHSP105は減少を示した。野生型マウスの脊髄前角の免疫染色では、SMI32で染色される運動ニューロンはHSP105で染色され、HSP105は運動ニューロンに多いことが判明した。さらに、培養細胞系でHSP105の過剰発現により変異SOD1を含む凝集体の形成が抑制されることが判明した。以上の結果は、HSP105は変異SOD1と結合し、変異SOD1の凝集形成を抑制することを示した。神経難病であるALSの新たな治療法として、HSP105レベルを増加させる手法の可能性を示唆していると考えられる。
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