研究課題/領域番号 |
17659275
|
研究種目 |
萌芽研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
代謝学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
植木 浩二郎 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教授 (00396714)
|
研究分担者 |
山内 敏正 東京大学, 医学部附属病院, 客員助教授 (40372370)
窪田 直人 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (50396719)
門脇 孝 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (30185889)
|
研究期間 (年度) |
2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2005年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
|
キーワード | 糖尿病 / シグナル伝達 / 発言制御 / 糖 / 脂質 |
研究概要 |
1.肝臓におけるSTAT3リン酸化の分子メカニズム (1)マウスに対するアディポネクチンの全身投与、及び培養管細胞に対するアディポネクチン添加により、刺激後10分より始まり1時間をピークとして4時間程度持続するSTAT3チロシンリン酸化を同定した。 (2)このSTAT3のリン酸化は、アディポネクチン受容体AdipoR1を細胞に過剰発言させると増強し、AdipoR1shRNAを発言させAdipoR1の発言を抑制すると減弱した。AdipoR2の発現を変化させてもSTAT3のリン酸化に変化はなかった。 (3)培養細胞や肝臓では、アディポネクチンによるSTAT3リン酸化に先立つJak1,Jak2のチロシンリン酸化は明らかではなかった。 (4)アディポネクチンによるSTAT3のチロシンリン酸化とほぼ同時に肝臓でのIL-6やIL-10の発現の増加および血中濃度の上昇を認め、これらのサイトカインによるautocrine, paracrineの刺激もSTAT3のリン酸化に寄与していることが示唆された。 (5)上記のサイトカインの発現は、肝臓でAdipoR1の発現を要請すると減弱した。 以上から、肝臓で糖脂質代謝の維持に貢献していると考えられるSTAT3のリン酸化の少なくとも一部に、アディポネクチンによるリン酸化が寄与していることが示唆された。このアディポネクチンによる活性化はその受容体AdipoR1を介しているものと考えられた。Stat3のリン酸化の一部には、アディポネクチンにより誘導されたサイトカインによる活性化も貢献している可能性も示唆された。 2.肝臓でのSOCS3発現のメカニズム 我々は、肥満マウスの肝臓において、炎症性サイトカインやレジスチンなどで誘導されるSOCS3の発現が恒常的に増大していることをしめしてきたが、今回アディポネクチンによってもSOCS3の発現が一過性に誘導されることを見出した。この場合、SOCS3発現はアディポネクチンシグナルの自動終始シグナルとなっていると考えられた。
|