研究課題/領域番号 |
17659284
|
研究種目 |
萌芽研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内分泌学
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
高橋 裕 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (70301281)
|
研究分担者 |
千原 和夫 神戸大学, 医学系研究科, 教授 (00107955)
置村 康彦 神戸大学, 医学部, 助教授 (30204100)
飯田 啓二 神戸大学, 医学系研究科, 助手 (80324911)
|
研究期間 (年度) |
2005 – 2006
|
研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
|
配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2006年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2005年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
|
キーワード | 新規生理活性物質 / 糖尿病 / 肝臓 / セリンプロテナーゼ / DPP4 / 高血圧 / ホルモン / 代謝調節 / 遺伝子組み換え産物 / ノックアウトマウス |
研究概要 |
本研究において、私達が脂肪細胞分化とともに発現し分泌される新規生理活性物質ヘパトニンが生体においては主に肝臓で産生分泌され、遺伝子組み換え産物をマウスに投与すると血糖および血圧低下作用があることを明らかにしてきた。ヘパトニンは肝臓に特異的に発現し、その血中濃度は摂食によって低下し高脂肪食を負荷すると上昇する。分子量は約5kDで血中では主にダイマーとして存在している。このヘパトニンの意義を明らかにするために、今回ノックアウトマウスの作製に成功し解析を行っている。ヘパトニンノックアウトマウスは成長、発育は正常だが、腹腔内グルコース負荷試験において高血糖を示す。その機序としてヘパトニンはアミノ酸の一次配列の構造がセリンプロテナーゼ阻害剤との相同性を持っていることから、内因性のセリンプロテナーゼを阻害することによってその作用を発揮している可能性がある。私達は現在2つのセリンプロテナーゼの可能性について検討している。ひとつはDPPVI(Dipeptidyl peptidase IV, CD26)である。DPPVIはインスリン分泌を調節するインクレチン分解酵素で、次世代の糖尿病治療薬として大きな注目を集めている。もうひとつはキマーゼでいずれも血糖および血圧の制御において重要な役割を果たしていることがすでに報告されており、現在in vitroにおいてヘパトニンとこれらの酵素活性に対する影響や相互作用を解析している。同様にホルモン、サイトカインの生理作用を明らかにする研究を進めており、これまでにGHの標的遺伝子としてミトコンドリア関連遺伝子およびミネラルコルチコイド受容体を同定した(BBRC 2006)。さらにサイトカインシグナルおよび新規生理活性ペプチドの調節機序、作用について研究を行ってきた(JBC2006, Regulatory peptide 2006)。臨床研究においては、NASHを呈した成人GH分泌不全症のが6ヶ月のGH治療によってNASHが劇的に改善したことを報告した(Gastroenterology in press)。その他、成人汎下垂体機能低下症における治療と心血管病変の関係について(Endocrine J in press)、内分泌腫瘍のあらたな病態についての報告を行った(Endocrine J 2006, Internal Med 2006)。
|