研究課題/領域番号 |
17659301
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
膠原病・アレルギー・感染症内科学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
塩沢 俊一 神戸大学, 医学部, 教授 (40154166)
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研究期間 (年度) |
2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2005年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
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キーワード | 膠原病 / シミュレーション / 遷延感作実験 / 免疫応答系 |
研究概要 |
多変数複雑系である免疫応答系の変調すなわち膠原病を、システム工学的に扱い微分方程式で記述し、さらに現実的に抗原提示細胞上に提示された抗原のT細胞への授受関係が総体としてみた場合の微分方程式による数学的記述を行なうと現実を無視した簡易な方程式になってしまい実態に即していないため、個々の応答要素を集団の中にある個々の細胞としてビジュアルベーシックで個別に記述した。実験では、一個の抗原提示細胞当たり20個の結合手がある。抗原提示細胞の寿命はリンパ節に流入してから約20時間強であるが、リンパ節において抗原提示細胞が合致した抗原特異的ナイーブT細胞に出会うことが出来ると、その寿命は約10時間延長される。ナイーブT細胞のリンパ節への流入数には制限を設けておらず、ナイーブT細胞は時間的に次々と流入して来る設定で、時間ごとに順次抗原提示細胞の結合手が埋まって行く。20本の結合手を時間的に異なる(順次流入した)ナイーブTが取り合うことになりこの間の授受関係の記述が個別的であった。次いで、抗原提示細胞上に一定時間以上結合したナイーブT細胞だけが初めて成長を遂げて活性型T細胞(Tac)となる。Tacになってから以後は、一回の分裂をへてTh1細胞となり、3回の分裂を経てTh2細胞に分化することが実験的検証済みであるので、当該情報をプログラムした。私達は同時に、組上げた式を検証するために、抗原が一回流入した場合の免疫応答のシミュレーションを行ないこれを実験的に検証した。最終的に、抗原がある時間間隔を置いて流入して来た場合、すなわち遷延感作(繰り返し刺激)状態における免疫応答系の時間的動態を把握する。しかし、本研究によっても免疫記憶に関する実験が現段階では確定的でないので、当該部分をシミュレーションを優先させて最適条件を得た。検証のための実験系は、OVA応答のみを強く発現できるOVA受容体トランスジェニックマウスを使用する予定であったが、現在戦線感作機構の分子機序の解明に手間取ってここまでの解明には至らなかった。
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