研究課題/領域番号 |
17659338
|
研究種目 |
萌芽研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
皮膚科学
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
是枝 哲 京都大学, 医学研究科, 助手 (10314212)
|
研究期間 (年度) |
2005 – 2006
|
研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
|
配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2006年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2005年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | ケロイド |
研究概要 |
ケロイドは、ヒトにおいてのみ発生し、動物モデルが存在しない。また、ケロイド組織の線維芽細胞を培養系に移すと生体組織では特徴的に認められるマトリックス蛋白の発現増加が失われるという性質がある。そのため試験管内での実験が非常に困難であり、よく知られた疾患であるにもかかわらず病因、病態解明が全く進んでいない疾患の1つである。 申請者らは病変部組織を用いて多くの分子の発現を網羅的にマイクロアレイで解析するという独創的な研究を行った。その結果、病変部に「組織幹細胞の異常」が存在する可能性が病因として指摘できた。すなわち、ケロイドでは、軟骨、骨への分化を示す細胞が増殖しており、これらの異常分化細胞が太いコラーゲンやビアルロン酸などの細胞外マトリックスを産生するという解釈を可能にしたものである。さらに、ヒトケロイド培養細胞をヌードマウスへ移植することでケロイドモデルの作成を試みたところ、正常真皮線維芽細胞と比較して細胞外マトリックスを豊富に産生し組織重量が増加するようなケロイドモデルを確立することができた。そこに沈着しているマトリックスを調べるとコラーゲンを始め、グリコスアミノグリカンなどが豊富に存在しており、ヒトケロイド組織と共通していた。このマトリックスの1つであるバーシカンの発現様式を調べるとケロイド培養細胞で増加しており、その制御にβカテニンが関与している事を発見した。現在そのシグナル伝達系の阻害剤をもちいた抑制を検討し、治療へのアプローチを模索する計画である。
|