研究課題/領域番号 |
17659340
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
皮膚科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
玉井 克人 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (20236730)
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研究期間 (年度) |
2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2005年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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キーワード | 骨髄幹細胞 / 末梢血造表皮幹細胞 / 骨髄移植 / 表皮水庖症 |
研究概要 |
本研究は、骨髄由来末梢血造表皮幹細胞を利用した遺伝子治療法の開発を最終目的とする。平成17年度の1年間における研究内容としては骨髄細胞が末梢血を介して皮膚創傷部に移動し、皮膚、特に表皮の再生に寄与し得る可能性について検討を進めた。 具体的には、致死量(10Gy)放射線照射後にgreen fluorescent protein(GFP)遺伝子トランスジェニックマウス骨髄を移植したGFP-BMTマウス(C57/BL6)の背部皮膚に、野生型新生マウス皮膚を移植し、生着を待って移植したGFP骨髄による皮膚構成組織の形成を、特に表皮や毛包、その他表皮附属器組織におけるGFP陽性細胞の有無より検討した。その結果、植皮2週間後には生着した新生マウス皮膚における毛包、表皮内に著明なGFP陽性細胞が局在し、一部の毛包では、その構成表皮細胞の殆どすべてがGFP陽性細胞に置換していることが明らかとなった。これらのGFP陽性細胞は表皮細胞マーカーであるケラチン5、α6インテグリンを発現しており、表皮角化細胞としての機能を維持していることが示された。次にGFP-BMTマウス皮膚に新生マウス皮膚を移植後、経時的に末梢血単核球分核を採取し、これを皮膚創傷ヌードマウスモデルの尾静脈より経静脈的に移植した。その結果、創傷治癒後の表皮内にGFP陽性表皮細胞が存在することが確認された。 これらの結果は、骨髄細胞や末梢血細胞によって表皮細胞の再生が可能なことを示す重要な知見である。これら骨髄造表皮(幹)細胞を採取し、これに治療用遺伝子を導入して再び移植することによって、先天性表皮水庖症をはじめとする遺伝性皮膚疾患に対する根治的な新規治療が可能になる。
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