研究課題/領域番号 |
17659343
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
皮膚科学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
河上 裕 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (50161287)
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研究分担者 |
藤田 知信 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20199334)
松崎 ゆり子 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (40255435)
長谷川 豪 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (80383751)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2006年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2005年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 癌幹細胞 / 悪性黒色腫 / ABCトランスポーター / DNAチップ / 抗がん剤耐性 |
研究概要 |
本研究の目的は、悪性黒色腫幹細胞と新規色素細胞特異的ABCトランスポーターABCB5の解明である。悪性黒色腫癌幹細胞を分離するために、細胞表面抗原法、sphere形成法、side population(SP)法(Hoechst 33342排出能)等を試み、悪性黒色腫培養細胞株16株中8種でSP細胞を同定した。本年度は、SP細胞の機能解析、分子発現解析を進めた。FACSによりsingle cell sortingしたSP細胞は様々な幹細胞で発現するABCG2を高発現し、MP細胞からはMP細胞しか増殖しなかったのに対して、SP細胞からはSP・MP両細胞が出現するという非対称性増殖が示された。免疫不全マウスの皮下移植において、SP細胞はMP細胞と比べて低い細胞数で高腫瘍形成能を示し、この悪性黒色腫SP細胞は癌幹細胞様の性質をもつことが判明した。また、SP細胞は、抗癌剤mitoxantroneやdocetaxelに対して抵抗性であった。そこで、GeneChipによる網羅的遺伝子発現解析を行ない、SP細胞、MP細胞それぞれに高発現する遺伝子群を同定したが、ABCB5の発現差は認められなかった。ABCB5の細胞表面蛋白発現を検討するために、2回、抗ABCB5抗体の作成を試みたが、まだ、生細胞上のABCB5を検出できる抗体は得られていない。以上より、現時点では、ABCB5と悪性黒色腫幹細胞と関連は認められていないが、本研究で得られた悪性黒色腫幹細胞様SP細胞の解析が進んでおり、今後、それを標的とした診断や治療の開発の可能性が示された。
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