研究課題/領域番号 |
17659347
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
森田 展彰 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 講師 (10251068)
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研究分担者 |
中谷 陽二 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 教授 (30164221)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2006年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 複雑性PTSD / DESNOS(Disorders of Extrme Stress, Not Otherwise Specified) / SIDES(Strutued Interview for DESNOS, SIDES) / トラウマティック・ストレス / 半構造化面接 / 自記式質問票 / 自律神経機能 / DESNOS(Disorders of Extreme Stress, Not Otherwise Specified) / SIDES(Strutured Interview for DESNOS, SIDES) / 標準化 |
研究概要 |
本研究では、長期反復的なトラウマ体験により生じる複雑性PTSDの評価について以下の2つの研究を行った。(研究1)複雑性PTSDの面接・自記式テストによる評価法:欧米で用いられている複雑性PTSDの診断ツールである半構造化面接SIDES (Strutured Interview for DESNOS, SIDES)とその自記式質問票(SIDES-SR)の日本語版の作成を行い、健常群60名と児童虐待や家庭内暴力などの被害者から成る臨床群53名を対象として信頼性と妥当性を検討した。SIDES日本語版の面接、自記式におけるCronbachのα係数は0.8以上であり、十分な内部一貫性が確認された。臨床群のうち複数回にわたる対人間のトラウマの被害が確認された群と、健常群のうち自記式の質問紙で対人暴力を「経験したことがない」とした者を比較したところ前者が後者より複雑性PTSDの症状や診断基準を満たす者が有意に多く、基準関連妥当性が確認された。これにより、SIDES日本語版は一定の信頼性と妥当性をもっことが確認された。(研究2)自律神経機能による評価法の開発:その他の対人的な被害体験を持つ者における自律神経反応を調べるために、被験者に過去・現在のストレスイベントや養育体験を想起させ、その際の脈波による心拍変動(HRV)を分析した。その結果、健常者ではHRV中の高周波数成分(HV:副交感神経活動の指標)やそれと低周波成分(LV)との比LV/HV(交感神経活動の指標)は、記憶やイメージの内容に応じて鋭敏に変化することが確かめられた。一方、複雑性トラウマの症状を持っ者では、肯定的イメージの想起で、かえって交感神経優位(HVの低下、LV/HVの上昇)となったり、否定的な記憶でも交換神経が優位にならない傾向を認め、こうした自律神経機能の調節不全を複雑性PTSDの指標とすることができることが示唆された。
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