研究課題/領域番号 |
17659351
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
森 則夫 浜松医科大学, 医学部, 教授 (00174376)
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研究分担者 |
武井 教使 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (80206937)
三辺 義雄 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (60181947)
中村 和彦 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (80263911)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2006年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2005年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 統合失調症 / 動物モデル / 子宮内仮死 / 神経細胞新生 / 周産期合併症 |
研究概要 |
周産期の低酸素状態は統合失調症の危険因子である。そこで子宮内低酸素状態を実験的に経験させたラットを用いて、統合失調症モデルとしての有用性を検討した。 (モデルの作製) 妊娠満期SDラットを帝王切開し、一側の双角子宮を胎仔を含んだまま37℃の生食に15分間浸し低酸素状態を経験させた(仮死モデル群)。もう一側の子宮から得られた仔(帝切群)と、同日に別の母から生まれた仔(自然分娩群)をそれぞれ代理母に保育させた。 (結果) (1)メタンフェタミン0.5mg/kg腹腔内投与後の移所行動量は生後6週では3群間に有意な差を認めなかったが、生後12週では仮死群が他2群と比べ有意に増加していた。メタンフェタミン2.0mg/kgでは、生後6週で帝切群と比べ仮死群で有意に増加し、生後12週では他2群と比べ仮死群で有意に増加していた。(2)NMDA受容体遮断薬MK-801(0.3mg/kg)腹腔内投与後移所行動量では生後6週および12週ともに3群間に有意な差は認めなかった。(3)社会的行動では生後6週および12週において3群間に有意な差は認めなかった。(4)知覚情報処理系の障害を表す聴性刺激先行刺激抑制(Prepulse inhibition : PPI)は生後6週および12週ともに3群間に有意な差は認めなかった。(5)放射状8方向迷路による空間学習能力の検討では,生後6週および12週ともに有意な差は認めなかった。(6)海馬歯状回穎粒細胞層下帯の神経細胞新生(BrdU取り込み細胞)数は生後6週では3群間に優位な差は認めなかったが,生後12週では、自然分娩群と比べて、帝切群と仮死群で有意に低下していた。 (まとめ) 子宮内仮死モデルではドパミン神経伝達の異常が認められ統合失調症の病態の一部を再現した。また、この異常に海馬神経幹細胞の低下が関与している可能性が示唆された。
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