研究課題
萌芽研究
リーリンやリーリン関連因子が自閉症と統合失調症の共通の感受性遺伝子であるかどうかを脳や皮膚組織を使って明らかにする。リーリン関連遺伝子として重要な働きをする受容体であるvery low-density lipoprotein receptor (VLDLR), Apolipoprotein E rerepter2 (ApoER2)などに注目した。統合失調症や自閉症の共通の病因メカニズムを解明するために各疾患群の皮膚組織、脳組織での発現量を調べ機能解析を行う。我々は今回、自閉症についてリンパ球のVLDLRの発現量をRT-PCR法によって調べた。対象は16人の未服薬の自閉症、16人の対象群である。結果は未服薬の自閉症は有意に対象群と比べて発現量が上昇していた。上昇についてはセロトニントランスポーターの脳内発現量との相関が考えられた。次にVLDLRについて自閉症のトリオサンプルについて高機能自閉症104トリオ、自閉症252トリオについて家族内相関解析を行ったところ、数個のSNPに関して有意差が認められた。ゆえにVLDLRが自閉症の感受性遺伝子であることが明らかになった。前年度、統合失調症の脳におけるVLDLRの発現量の違い、血液のリンパ球で発現量の違いを報告した。ゆえに統合失調症と自閉症はVLDLRを通してリーリンの機能異常という共通の病因因子を持つことが明らかになった。
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