研究概要 |
1.3-T MRIによる内耳構造の画像化を検討し、Meniere病にglycerol test(GT)前後での変化につきMR評価を行った。 2.使用MR装置は3-T MR(Signa Excite HD, GE)で前年度ではdual surface coilにより3D-FSE,FOV 13cm,TR3000/TE499によるheavily T2強調画像が蝸牛内部の観察に良好と考えられたが、その後さらに安定した撮像条件設定のため、8-channel phased array coil使用にてFast Recovery 3D-FSEによる至適撮像条件の検討を行い、3例のMeniere病症例についてGTを行い、test前後のscalamedia(SM)の変化について検討した。 3.SM描出能は前年度に設定した3D-FSEを用いた撮像よりFast Recovery 3D-FSEの方がコントラスト分解能、SNRにおいて優れていた。その条件はFOV 12x12cm, TR/TE 3000/505, ETL50, 1.0mm thk/0.5 ov, 512x384 matrix, 1 NEX, 撮像時間15分18秒であった。3例ともGT陰性であったがMRでは一例でSMの拡張が疑われ、GT後に改善した。 4.3-T MRIにおいてFast Recovery 3D-FSEによる高分解能MRで内リンパ水腫の直接描出の可能性が示唆された。Glycerol testと臨床所見,MR所見との乖離がみられたが,さらに症例を集積して補助検査との比較検討を行う必要があると考える。
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