研究課題/領域番号 |
17659390
|
研究種目 |
萌芽研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科学一般
|
研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
島田 光生 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (10216070)
|
研究分担者 |
藤井 正彦 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (20380040)
居村 暁 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (90380021)
森根 裕二 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (60398021)
副島 雄二 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (30325526)
|
研究期間 (年度) |
2005 – 2006
|
研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
|
配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2006年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2005年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | 酸化チタン / 光触媒作用 / 血液浄化療法 / 肝不全透析装置 |
研究概要 |
【背景・目的】 酸化チタンの光触媒作用を利用した血漿浄化法は様々な物質を同時分解できる多様性、殺菌・殺ウィルス効果の可能性があり、半永久的な触媒作用による費用軽減効果とともに極めて有用と考えられ、これらを用いた血漿浄化療法の研究・開発を行っている。 【方法・結果】 1.粉塵流出検査・不純物溶出試験 酸化チタンをペレットに加工し充填したモジュールを開発し、粉塵流出・不純物溶出試験を行った結果、発塵が検出限界に押さえられ、また不純物溶出も認めなかった。安全性の確認とともに高い再現性も確立した。 2.正常血漿による灌流実験 新鮮凍結血漿を用いた灌流試験で潅流時の凝固系の維持が問題点であることが判明した。 3.肝不全血漿による灌流実験 C型肝硬変患者から得た肝不全血漿による潅流試験ではサイトカイン(IL-6,8,10)、総ビリルビン値、フィブリノゲン値は低下し、またC型肝炎ウィルスの吸着除去能も明らかとなった。アルブミン値は維持された。凝固系の維持が困難である問題点に対し新鮮凍結血漿による初期潅流を試みたところフィブリノゲン値は維持され凝固系維持の解決策となった。 4.エンドトキシンに対する効果 C型肝不全血漿にエンドトキシンを添加し、この灌流装置を用いてエンドトキシンに対する有効性について検討した結果、従来の灌流装置と比べて有意なエンドトキシンの低下を認めた。また同時に行ったPMXによる吸着実験と比べ、本装置は有意にエンドトキシンの低下を認めた。 5.焼成温度のちがいによる効果の検討 エンドトキシン、サイトカインの吸着除去能力について検討した結果、1)エンドトキシン値、IL-6値、IL-8値は焼成温度に反比例して吸着能が高く、2)アルブミン値は焼成温度によらず、ほぼ一定の値を保ち、3)フィブリノゲン値は焼成温度に反比例して吸着能が高いことがわかった。 【まとめ】 1)新たな血液浄化装置により、肝不全時の有害物質であるビリルビンやサイトカイン、エンドトキシンを減少できた。フィブリノゲン値低下はFFPを初期灌流させることで克服し、本装置は次世代の血液浄化療法として有望である 2)今後、灌流実験後の血清を用いた細胞毒性の検討や大動物を用いたin vivoでの実験による灌流実験を施行する予定である。
|