研究課題/領域番号 |
17659421
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 長崎大学 (2007) 独立行政法人国立病院機構(長崎医療センター臨床研究センター) (2005-2006) |
研究代表者 |
谷口 堅 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (30372238)
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研究分担者 |
吉里 勝利 広島大学, 理学部, 教授 (20095516)
藤岡 ひかる 独立行政法人国立病院機構(長崎医療センター臨床研究センター), 機能形態研究部, 部長 (00264226)
石橋 大海 独立行政法人国立病院機構(長崎医療センター臨床研究センター), 臨床研究センター長 (80127969)
伊東 正博 独立行政法人国立病院機構(長崎医療センター臨床研究センター), 病理研究室, 室長 (30184691)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2007年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2006年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2005年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | キメラマウス / 肝転移モデル / AFP産生胃癌 / uPA/SCIDマウス / 薬剤感受性 / 抗癌剤 / uPA / SCIDマウス / 転移性肝癌 / 抗癌剤感受性試験 / Takigawa胃癌細胞株 / Taxol |
研究概要 |
【はじめに】 現在、肝転移の動物モデルの報告は散見するが、ヒト肝細胞を背景にした肝転移モデルの報告はない。抗癌剤の薬物動態あるいは肝転移のメカニズムを解明するためにはヒト肝細胞で構築された肝転移モデルが最適である。我々は、吉里らが開発したマウス肝臓の92%をヒト肝細胞に置換した免疫不全キメラマウス(uPA/SCID mouse)を用い、ヒトの生理的環境下に近い肝転移モデルを作製したので報告する。 【方法と結果】 1)使用する動物:免疫不全と肝障害を持つマウス(uPA/SCID mouse) 2)転移形成の至適癌細胞の検討:ヒト肝癌由来細胞株HepG2、Huh-7、AFP産生胃癌由 来細胞株(TAKIGAWA)、大腸癌由来細胞株(DLD-1)をマウス(n=5)へ各1.0x10^6個、経 脾的に細胞移植を行い、マウス肝臓に生着可能な癌細胞を検討した。 3)移植至適細胞数の決定:(1)6x10^5個のTAKIGAWAとヒト肝細胞を注入する群((1)群、n=6)、(2)7.5x1O^5個のTAKIGAWAと7.5x10^5個のヒト肝細胞を注入する群((2)群、n=6)に分けcell mixtureをuPA/SCIDマウス肝内に移植。ヒト肝細胞の置換率判定のため血中ヒトアルブミン濃度、TAKIGAWAの腫瘍増殖を観察するため血中AFP濃度を経時的に測定した。細胞移植後、血中ヒトアルブミン濃度は60日目に最大7.7mg/mlに達した。血中AFP濃度も最大8026ng/mlまで上昇し、病理組織学的にも、置換されたヒト肝細胞の中にAFP陽性の腫瘍形成を確認できた。 腫瘍は、AFP染色だけでなく、CEA染色でも陽性細胞をみとめた。又、Ki67染色では、腫瘍部分に有意に陽性細胞があり、ヒト肝細胞には小数の陽性細胞のみ認められた、p53染色では腫瘍細胞のみに陽性細胞が認められた。 (2)群の方が、(1)群に比較し、ヒト肝細胞、TAKIGAWA細胞ともに生着した割合は、(1)群が3/6例、(2)群が5/6例であり(2)群の方が至適細胞数と考えられた。 【結語】 ヒト肝細胞をもつキメラマウスを用い、肝転移モデルを作成した。このモデルは抗癌剤開発ばかりでなく、肝転移メカニズムの解明にも有用である。
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