研究課題/領域番号 |
17659446
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
新郷 哲郎 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (50379749)
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研究分担者 |
伊達 勲 岡山大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 教授 (70236785)
三好 康之 岡山大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 講師 (00362997)
松井 利浩 岡山大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 科助手 (80362995)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2006年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2005年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 電気刺激 / ニューロン新生 / 神経幹細胞 / 脳室下帯 / 神経栄養因子 / 遊走 / 神経保護効果 / グリア細胞 / 神経幹・前駆細胞 / PSA-NCAM / 新生ニューロン / 細胞死 / 脳虚血 |
研究概要 |
本年度は持続的に刺激するだけでなく、電気刺激のOn-Offを行い、細胞遊走および神経保護に効果があるかどうか検討した。電気刺激を行っている期間と比例して、脳室下帯の神経幹細胞の遊走およびニューロン新生を認めた。Off状態では宿主脳において防御反応が起こり、グリオーシスの増生や炎症細胞の増生を認めるが、On状態ではそのような効果を認めなかった。神経保護効果では、On-Offの期間に関係なく、刺激を早期に行えば行うほど効果を得ることができた。細胞死に対しては、刺激の開始時間との関与が強く示唆され、神経再生においては刺激時間との関与が示唆された。 次に、前年度、脳電気刺激を脳虚血モデルに利用して神経保護効果を得ることができた。本年度は、その効果を免疫組織学的に検討し、抗アポトーシス効果やニューロン新生などを検討した。電気刺激を行った周囲に細胞のアポトーシスは刺激を行わなかった群に比べて有意に減少していた。そのメカニズムとして、刺激周囲の脳には、神経栄養因子であるGDNF, BDNFなどが上昇し、これらは刺激して2時間以内に上昇することが示された。これらの栄養因子の上昇が神経保護効果に関与していると考えられる。また、刺激した周囲に新生血管を得ることができた。このことは、慢性期脳虚血に対して治療できる可能性を示唆した。さらに、電気刺激した周囲に脳室下帯より遊走した神経前駆細胞の集積を認めた。これらの細胞の一部は新生血管上やグリアの突起上にあり、これらの関与が示唆される。また、SDF-1が電気刺激により上昇していることからchemoattractantが変化し細胞が遊走している可能性が示唆される。 今回は残念ながら、慢性期脳虚血に対しての治療研究を行うことができなかったが、以上の結果から脳電気刺激により神経修復することが可能であるように思われる。
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