研究課題/領域番号 |
17659449
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
清水 惠司 高知大学, 医学部, 教授 (50162699)
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研究分担者 |
朴 啓彰 高知大学, 医学部附属病院, 講師 (60333514)
八幡 俊男 高知大学, 医学部, 助手 (40380323)
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研究期間 (年度) |
2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2005年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
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キーワード | 胚性幹細胞(ES細胞) / 神経幹細胞 / 細胞融合 / 癌幹細胞 / レトロウイルスベクター / 神経膠芽腫 / 神経変性疾患 / 神経再生医療 |
研究概要 |
根治的な治療法の無い神経変性疾患や広範囲脳損傷に対して、胚性あるいは神経幹細胞を用いた神経再生医療を開発すべく下記基礎研究を行った。 1)細胞標識用レトロウイルスベクターの構築 ES細胞、神経幹細胞及び分化誘導した細胞を標識するために、GFPを発現し、G418で選択可能な標識を導入するレトロウイルスベクターを構築した。 2)神経幹細胞様不死化細胞株の樹立 ES細胞や神経幹細胞と分化した細胞との融合細胞の増殖能や細胞融合効率は高くないことが予測されるので、第一段階として、神経膠芽腫や髄芽腫細胞から癌幹様細胞を樹立し、神経細胞との融合細胞による不死化株の樹立を試みた。ヒトグリオーマ細胞株U87-MG由来の癌幹様細胞は、神経幹細胞マーカーCD133を発現しており、EGF, FGF依存性増殖や多分化能を認めた。さらに、U87-MGとマウスグリオーマ細胞株RSV-Mに薬剤選択マーカー(neo, hph)の2種類を個々に導入し、これらの細胞から癌幹様細胞株を樹立した。これら癌幹様細胞と、レトロウイルスベクターを用いて薬剤耐性遺伝子を導入した神経系細胞を融合し、その細胞融合頻度と性質について今後解析を進める。 3)神経幹様細胞における細胞融合関連遺伝子ABCB5の検出 細胞融合に関連するP-glycoprotein ABCB5遺伝子が、U87-MG由来の癌幹様細胞にのみ発現しているので、癌幹細胞と特異的に細胞融合が生じている可能性が示唆された。さらに、ES細胞や神経幹細胞にもABCB5遺伝子が発現しているかどうか検索中である。癌幹細胞特異的なABCB5遺伝子の発現は、in vivoにおいて神経幹細胞と体細胞の融合細胞が存在している可能性を示唆しており、in vivo内での神経幹細胞と体細胞の融合現象の可能性についても探求する予定である。
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