研究課題/領域番号 |
17659494
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | (社)北里研究所 |
研究代表者 |
柏木 政憲 社団法人北里研究所, 北里研究所病院, 研究員 (10245508)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2007年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2005年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 全身麻酔薬 / プロポフォール / 中枢性呼吸抑制 / 新生ラット摘出脳幹-脊髄標本 / 呼吸中枢 / 膜電位感受性色素 |
研究概要 |
平成19年度は、膜電位イメージング法による動画像としての計測と、電気生理学的膜電位記録を並行して行なった。 動画像解析において、外液還流により投与したプロポフォールは、第4頸髄前根(C4)の吸息性バーストの発生頻度を減少させた。プロポフォールはC4のバースト発生に先立つ時期、すなわち前吸息相に、吻側腹外側延髄で脱分極する呼吸性ニューロン(吸息先行型ニューロン)群の脱分極を有意に減少させた。しかし、C4のバースト発生と一致する時期、すなわち吸息相に、吻側および尾側の腹外側延髄で脱分極する呼吸性ニューロン(吸息性ニューロン)群の活動を抑制しなかった。GABA-A受容体拮抗薬ビククリンにより、前吸息相における吻側腹外側延髄の呼吸性ニューロン群の脱分極は有意に回復したが、別のGABA-A受容体拮抗薬ギャバジンにでは有意な回復を示さなかった。 電気生理学的には、パッチクランプ法による膜電位測定の結果、プロポフォールにより吸息先行型ニューロンでは静止膜電位が過分極し、バーストの発生頻度が抑制された。次いで、抑制性シナプス後電位の影響を除くため、テトロドトキシンによる神経伝達遮断下にプロポフォールを外液灌流で投与した。この場合にも同様に、吸息先行型ニューロンの静止膜電位が過分極し、膜抵抗については有意な変化は観察されなかった。 以上の観察結果から、プロポフォールは、吸息先行型ニューロンにtonicに作用し、静止膜電位を過分極させ、その興奮を抑制していることが示唆された。 今年度導入した顕微鏡用デジタルカメラシステムにより、電気生理学的手法で記録したニューロンの組織学的検討を開始した。今後も順次解析を行なっていく予定である。
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